08/11の日記

02:08
菜々子おおお
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久しぶりの雨の日、霧が濃くなり商店街は活気がなくなったように暗くなっていた。

雨はあまり俺も好きではないのだけれど、商店街にある中華料理屋さんの愛屋の“雨の日スペシャルメニュー”を食べるため俺は傘を差して歩いていた。

一人ぽつんと小学生くらいの小さな女の子が本店の前でじっと雨が止むのを空を見て待っている様子だった。

「あれ、きみ傘ないの?」

「……えっ、うん」

声をかけた俺を見て恥ずかしそうに頷きながら応えた女の子は堂島菜々子ちゃんという子で、なにか聞いたことのある名前だなぁと思ったが、間違ってたら菜々子ちゃん悪いなとそれからは思い考えないでおいた。

菜々子ちゃんと(周りから見たら)相合い傘をする感じで俺は愛屋につき、菜々子と共に店内に入りスペシャルメニューを頼む。

「どう、菜々子ちゃんも食べる?」

「うん…!!菜々子食べてみたい」

菜々子ちゃんの周りに花が咲いたような笑顔で言われ俺は胸がキュンとなって、そのあと箸があまり動かせなかった。

…こ、恋か…恋なのかぁ!?

スペシャルメニューは半分は間食できたが限界が近づき俺は諦めてお金を払った。

「…お兄ちゃん…ありがとうごちそうさま」

「…いや、いいよ!お礼なんてお兄ちゃんが誘ったんだし」

菜々子ちゃんは自分の家に帰る途中だったらしく、傘を差しながら二人で菜々子ちゃんのお家にいくことにした。

(…まさか、堂島って…)

菜々子ちゃんと家の前まで来て見覚えがたしかにある建物に、俺はすごく嫌な予感しかしなかった。

(…これで予感が当たってたら俺……どうしよう)

菜々子ちゃんは俺の手を引いて家の中に案内してくれた。

「お兄ちゃーん!帰ってきたよー」

菜々子ちゃんは階段を見上げ、お兄ちゃんを呼んだ。

その声に反応したのかドアの開く音が聞こえ、階段から降りてきたのは紛れも無い瀬田っちだった。

「……ヒロ…!?なんで菜々子と一緒に?」

「菜々子、このお兄ちゃんと相合い傘して帰ってきたんだよー。」

「傘無かったからという」言葉が前後どっちかに無かったら、話がややこしくなりそうだよ菜々子ちゃん。

瀬田っちはへーえという顔をして俺を少し見つめ「お風呂入ったほうがいいな」と、足をお風呂場へ動かして行った。




***





瀬田っちのお家否堂島さんのお家でお風呂を借り、濡れた服の代わりに瀬田っちのジャージを借りて着たはいいがサイズが大きすぎて俺にはブカブカになった袖と裾を捲り、居間に戻ってきた。

「…あれ、大きかった?」

「…あっ、うん。ちょっとね…。」

台所で何かをしていた瀬田っちを見てみると服にはエプロンをつけていた。

(せっ、専業主婦…!?)

「悪いな、堂島さんのだともっと大きいからこれで我慢してくれ」

「そんなこと…気にしてないって、ところで菜々子ちゃんは?」

「遊び疲れて寝むたそうだったから、寝かせに行った」

座ってといわんばかりに居間にある机におかれたコップを手にとり、お茶を飲んだ。

「瀬田っち来るまで、菜々子ちゃん一人でずっと夜留守番してたの?」

「…そう。」

(小さい女の子一人で危ないのに…、菜々子ちゃん良く耐えられたな)

「…ヒロは…、兄弟とかいるの?」

…そういえば、瀬田っち一人っ子だっけ?

兄弟とかに興味あるって気持ちもわからなくもないかな?

「あー…うん、上に兄がいて下に妹がいる」

「……兄弟ってどんな感じ?」

どんな感じと聞かれたってな、あんまし俺達の兄弟はバラバラだしな…。

兄貴とは小い頃はよく遊んで貰ってたらしいけど……俺が小学3年生くらいの頃には、兄貴は中学生だったし…その時にはもう俺達の間には隙間みたいなものがあって家でも、あまり顔も合わさなくなってたしな。

つーか、近々兄貴帰ってくるんじゃなかっけ…!?

「…ウチのとこは他の兄弟みたいに、和気藹々ってカンジじゃないかな。」

遠目で雨が降って土に貯まっていく水溜まりがある縁側を見て、俺は昔のことを思い出していた。

「…ヒロ」

「ん…?なに?」

「今夜泊まっていくか?」

……………はい??

それは、その、なんといいますか…。

…か、…寛容さがMAXではないと言えない台詞を瀬田っちは俺にサラリと言っちゃったよ…。

俺はたじろぎながらどう返事をすればいいか考えながら、瀬田っちと視線を合わせないようにと部屋の辺りを見回していた。

「──もう、お風呂入ったろ?」

「…でも、……家に電話……しないといけないし」

「俺がさっきしておいた!」

手っ取り早───ッ!!!!

俺が泊まること前提だったんだね瀬田っち…。





***





夕飯の時間になり、コンビニ弁当を俺と瀬田っちと菜々子ちゃんの三人で食べようとした時、玄関を開く音がして帰ってきたのは酔い潰れた堂島さんと堂島さんを支えて帰ってきた足立さんだっった。

ぞくっと背筋がなり、俺は下を向いて足立さんと目を合わせないようにしていた。

だけれど、足立さんから声をかけられ俺は会釈をしていたのだけれど、その場所に居ずらくなり洗面所を借りて俺は頭を冷やすために顔を洗った。

(…やっぱりなにか、あの人に感じる気がする……。)

『どうした?ヒロ殿。顔色がすぐれない様子だが…』

(…わっ、イザナギ…!!いつからそこに)

顔をタオルで拭いたあと、ガラスに写ったイザナギの姿にビックリして壁の方向に振り向いてしまった。

イザナギ達悪魔の姿や声は自分だけしか見えていない、聞こえていないので、この反応を誰かに見られでもしたら相当おかしな人だと思われる…。

『顔を洗っていたところからだが…、なにか我が主とあったのか?』

(…なにもないよ…、安心して。俺だけかもしんないけど、さっきあの足立って人と目が合った時……背筋がぞくっとしたんだ)

『…それは……、ヒロ殿だけが感じたのか?』

こくりと頷き、俺は洗面台に手をついて壁に向かいイザナギと話す体制をとる。

(この前会った時は俺の悪魔達はみんな警戒してた…。)

『………』

イザナギがなにかを言うおうとした時、床の軋む音がして目をやるとさっきと同じの笑顔で俺を呼びにきた。

顔を洗ったせいか、背筋には違和感はなくなっていた。

「あっ……、すみません…今行きます!」

「──そうそう、キミの名前聞いてなかったね」

「………ヒロです。葛ノ葉ヒロです。」

そう言ったあともなに事もなく、足立さんには違和感は感じなくなっていた。





***





(うーむ、やっぱり俺の間違いかな。こーゆー時頼りになる人がいれば…)

「…ヒロ」

「…わ!せ、瀬田っちなにかな?」

「いや、ヒロが上の空だったから。」

「…大丈夫だよ。」

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