・OTHERS・

□Misunderstanding!
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12月8日。

仕事を終えた大竹は、一人の楽屋に向かって歩いていた。

今日はピンの仕事で、いつも左側にいる相方の姿は無い。
三村は三村でピンの仕事があり、今日は偶然にもこの建物内のどこかのスタジオにいるはずだった。
しかしマネージャーの話によると、三村の仕事は一時間以上も前に終わっているらしく、既に帰ってしまったようだ。

──なんだよアイツ。
何にも挨拶無しかよ。ちょっとぐらい待っててくれたっていいのによ。だって今日は‥‥今日は‥‥。

「俺の誕生日なのに‥‥」

うっかり口に出してしまった自分に舌打ちして、大竹は楽屋のドアを開けた。


───!?

「何だアレ‥‥!?」


楽屋の中央にあるテーブルに、異様なモノが載っている。

ドアノブを掴んだまま凍りついていた大竹は、恐る恐るその妙な物体に近付いてみる‥‥。

しかし、生来心配性な大竹。
安全が確認出来るまでは、不用意に素手で触ったりは絶対にしない。
手近の壁に掛かっていたハンガーを取りに行くと、態勢を出来るだけ低く保ち、腕を伸ばしてギリギリにハンガーが届く位置からナゾの物体を恐る恐るつついて即、床に伏せた。

そのまましばらく待ってみるが‥‥何も起きない。

───どうやら爆発はしないみてぇだな‥‥。

少しホッとしたのも束の間。再び恐る恐る起き上がると着ていたジャケットを脱ぎ、そのジャケットを防御壁にしてゆっくりとテーブルの上を覗き込んだ。


───‥‥‥‥?


よく見てみると、それはコンビニなどでよく販売されてる──ワッフル‥‥?
多分ワッフル?
いや、きっとワッフルだと思う‥‥。

それは元は美味しそうなごく普通のワッフルだったと思われるのだが、ポケットにでも入れたのか見事なまでに潰れまくっててもはや円形とは言えず、ワッフル独特の網目模様すら僅かに認められる程度だった。
その上、真ん中に突き刺さっている棒状のモノが不気味さに拍車をかけていた。

───ロウソク?
 
 
 
 
 
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