Book、Ss

□名前のない気持ち
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………………
びっくりした。三橋の大声に皆びっくりしている。
え?俺?俺の気持ちって?水谷は首を傾げた。

「俺も、いっつも迷惑、かけてるし!いつも怒らればっかだけど…でも、み、皆と野球、できるのも、阿部君のおかげで!!球、速くない、し、うざい、し…勉強できなぃ、し………」

ぼたぼたぼた
三橋の目から大粒の涙が溢れた。
えーと…止めたほうがいいのかな?

「ぁ〜三橋…?」
「打てないし、う、上手く話せないし、皆に嫌われてたし…」
あー聞いてない!止められない。止められないよ、誰か止めて!
「だめピーだし、この前っ自転車…こけて、手首痛かったって、ドジだし…」
ピクッ阿部の眉間にシワが!!三橋っいいよもぅいいよ〜!!ぅあ〜阿部が怒ってるよ〜!!!
「っで、も…でも…」


阿部君、呆れないで見てくれるんだ


「…………」


「ヒック、…阿部君、が。いつもリードしてくれて。球、とってくれて。いっつも、気にかけてくれて…ヒック。」

朝、体重をチェックしてくれる事。上手く投げれたらちゃんと褒めてくれる事、上手く喋れないときや俺が馬鹿な勘違いをしたとき、怖いけどちゃんと叱ってくれる事。

「……………」

おにぎりの数を増やしてくれたり、重いの持たないように気を使ってくれたり。


「……………」
「…あー…三橋?」
いつもいつも、俺を大事にしてくれるし、俺がこうやって皆と一緒に笑って野球できるのも、全部。阿部君の、おかげで…



「…………」
「だめだ聞いてない…」
「何か告白みてぇだな」



だから水谷君の気持ち、わかるんだ。いつも有難う、とか、そんなじゃなくて。ゃ、それもあるんだけど…言葉じゃ上手く言えなくて…阿部君にどんなに叱られても!俺、阿部君が好きだ!!



「…!!」
「わー告白しちゃったよ」
「ぅわ、阿部顔真っ赤じゃん!」
「三橋〜もういいよ〜」



み、三星の皆とも仲直り出来たのも阿部君のおかげで。あの時、阿部君が言ってくれたの嬉しくて!ぴ、ピッチャーじゃなくても、俺が好きだって!!




「っちょ!!みは!!」
「っえぇ!?」
「何?阿部そういう事だったの!?」
「マジ!?」
「ちっげぇよ!!ってかみはっお前いい加減にしろ!!」

「っだから!!」



俺、阿部君が好きだ







「…」
「……………」


「…うわぁ、何この甘い空気」
「二人とも見つめ合ってるし」
「阿部…」






「だから、水谷君も阿部君、好きなんだよ」


「いや、それはない。」




「!ちょ、皆何で声そろって言うわけ!?」




********オワリ
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