幻想世界

□御乙女地獄
1ページ/1ページ


血ニ濡レタ聖女タチハ劍ヲ片手ニ何ヲ想フノカ
床ニ倒レテ息絶エシ者ハアノ世ノ底ニ何ヲ視タノカ
嗚呼 泪
嗚呼 暗闇
それはそれで善きこと
言葉に出せない
ただひとつの悪意は殺意の胤となる

絵付け傘を持ち手に廻る道を辿る媛公の細き背中に爪を立てた
血が溢れ目醒めてあの世再び眠って孵るはこの世
往来は堪えて現来申せ天の上よ

孤独は悲しくてまたは愛しい楯と鉾となりいざ散りゆかん

十字ニ掛ケラレ哭(あえ)グ女ハ泪ヲ繋イデ月ニ尽クスノカ
眸ヲ骸ニ遺骨ナル男ハアノ世トコノ世ノ至極ヲ生キルカ
嗚呼 胸中
嗚呼 脳髄
あれはこれで愛情
あとには戻れない
そう唯一の愛は怨むことなき!

優雅な呉服を畳んで見つめる先にある星よ灯る光に感じるままに
熱さで腐り目醒めてひとつ再び滅してまたもやふたつ往来のゆく手はひとつしかないことの悦び天の下の

血ニ濡レタ聖女タチハ劍ヲ片手ニ何ヲ想ウノカ
床ニ倒レテ息絶エシ者ハアノ世ノ底ニ何ヲ視タノカ
嗚呼 泪
嗚呼 暗闇
それはそれで善きこと
言葉に出せない
ただひとつの悪意は殺意の胤となる

十字ニ掛ケラレ哭グ女ハ泪ヲ繋イデ月ニ尽クスノカ
眸ヲ骸ニ遺骨ナル男ハアノ世トコノ世ノ至極ヲ生キルカ
嗚呼 胸中
嗚呼 脳髄
あれはこれで愛情
あとには戻れない
そう唯一の愛は怨むことなき!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ