けいおん

□全ては君に帰結する
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全ては君に帰結する





「田井中さん…?」

確か人生何が起こるかわからないって言われたことがあったけ?人生とかそんな日常に興味はなかったから気にしてもいなかったけど、なんとなく今わかる気がする。
「あ、…はい?」
「これ、」

そう消極的な彼女は怯えたように一枚の紙を差し出した。なになに、軽音同好会?なんだと言うか。紙から視線をずらして一瞥すれば困ったように口を紡ぐ彼女の姿があった。

「ごめんなさい、いきなり。私秋山澪って言います」

そう言うやいなや、間髪いれずに顔は真っ赤に染まった。順序が逆ではないか、そんな些細な疑問もなくはないが、まぁそんなことどうでもいい。

「田井中さん、部活入ってないでしょ?」
「ん、…まぁ」
「だから、その―…」


―――…、入ってみませんか?


机の上にあるまだ冷たいブラックコーヒーを一口飲んで再度紙を見た。やっば人生ってわからない。それだけで少しは興味を持てたからうれしい。彼女に声を掛けられるなんて想定外で尚且つもう止めた軽音をまたやろうとしている自分も想定外。なんだって今日はこんなにも今までの日常と違うのだろう。あろうことか、気持ちは素直に口にでていた、次に見た彼女の顔は先程と打って変わってパァーッと花が咲いたように綺麗に笑った。





馬鹿は私か?

一年前の自分に悪態を付いて自嘲した。









    2010.0620:全ては君に帰結する










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