けいおん

□結局はお互い様
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触れた手から温もりを奪って、抱き合って体温を交換して、唇を重ねて感触を味わって、おでこを合わせて笑い合う。どうですか?こんな幸せな時間、考える私は馬鹿かもしれないけど、その夢にみた光景に誰がいると思いますか?




「誰、だよ?」
「聞いたら問題じゃなくなります」
「これ問題かよ?」


心理テストかなんか?なんて頭上に浮かぶ疑問符。本当に先輩は鈍感過ぎる。本当溜息しか出ない。はぁー。


「なんだ、その溜息は。」
「なんですかね」
「ムカつくぞ、このやろー」

ふざけあえば、心は暖かくなるけど満たされるのと少し違う。夕日が沈む、その影に私は埋もれそうになる。影は二つあるのにも関わらず。はぁ、本当不器用だ。つくづく思う。なんか、泣きたくなってきた。どうもこうも上手くいかない世界だ。本当嫌になる。


「例えば、」
「え?」


例えば、夕日が沈む教室で、影が二つ並んで、手が繋がれて、唇が重なって、おでこを合わせて抱き合って影が交じり合う、そんな光景に私は誰を思い浮かべると思う?

「だれ、ですかねー?」
「さぁーね?」
「……なんですかこの手」
「影だけじゃ温もりは伝わらないだろ」



それに影が重なれば私達も重なる。違う?

「そう、ですね」
「これに声まで付け足したらもうそれこそやばくない?」
「どういうことですか?」


ばーか、こういうことだよ。手を繋いだ私を優しく抱きしめ唇に一瞬の温もるを感じでおどこをくっつけ合わす。


「梓、好きだ」



あー、こういうことか。これはやばすぎるな。











結局お互い様








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