05/23の日記

02:57
春と夏
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桜咲く頃

私は貴男を想い

貴男との思い出

全てが甦る


ヒラヒラと散り落ちる花弁

風が吹けば舞い踊り

私の頬を撫でていく

あの人は……

もっと大きな手で

私を包んでくれた


掌に落ちた桜の欠片

握りしめて 願いを込め

風に流す

『彼に届きますように』

願いながら

舞い上がる希望を見上げた


時の流れが

私の髪を揺らす

『願いは届かない』

そう悟らせるように



桜散る頃

俺は貴女を思い

貴女との思い出

全てが甦る


何もかも千切るように

空にピンクの絨毯を敷く

その中の一片が

俺の前に舞い落ちる

それを握りしめ

思い出を噛み締める


『また逢える』

願いを込めて

吹き荒れる風に託す

あの人は

優しくて抱きしめてくれた


青い空間と一つの希望が

俺を包み込む

『必ず逢える』

そう告げるように


葉桜茂る頃

誓いを流した 樹の前
(誓いを託した 樹の前)

逢えないと分かっていても
(逢えるって信じているから)

私は此処に立つ
(俺は此処に立つ)

貴男は今どこにいますか?
(貴女は今どこにいるんだ?)

突風が私の髪をなびかせる
(突風が桜の葉を踊らせる)

風の流れる先を見ると
(上流を求め探し見れば)

桜の樹が音を奏でる
(彼女が桜を見ていた)

桜とは別の響きが鳴る
(歩み寄れば草が音を鳴り)

源を見れば

彼がそこにいた
(彼女が俺を見た)


風は止み 雲は流れ

花は咲き 見つめ合う

彼の姿が滲む
(彼女の姿が滲む)

逢えないと思ってた
(やっと貴女に逢えた)

抱き寄せる体

強く 強く お互いに

抱きしめ合う


遅めの春が訪れる

初夏の日

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