underground.X

□赤いジェラシー
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「最近、伊達さんと久遠さん仲良いですよね」

久遠が勝手に構えた鑑識室(倉庫)でビーカーに煎れられた珈琲を啜りながら宮城はなんとなしに口にした。だらしなく椅子にもたれかかりルービックキューブを弄っていた久遠は一瞬視線を泳がせたが直ぐ手元に戻す。
「…そう?普通じゃない?」
「でも最近よく一緒に食事に出てますよね。伊達さんもよくここに居るみたいだし…前はそんな事なかったのに」

宮城の口調は普段と変わらないが、久遠には面白い程宮城の心情が解った。宮城の隣まで椅子を滑らせニヤリと笑う。

「もしかして、妬いてる?」
「はっ!?誰にですか」
「さあ、自分に訊いてみたら」
ニヤニヤする久遠に口を尖らせる宮城。そこに呑気な声が割って入った。

「久遠くんいる〜?」
「「伊達さん」」
「ん?あれ宮城くん、休憩?」
「えっ?あっ違います!!直ぐ戻りますっ」
慌てて席を立つ宮城の横から久遠が伊達に近付く。
「伊達さん、こないだ頼まれたやつ結果出てるよ」
「お、ありがとう〜」
「やっぱり伊達さんの言ってた通りだったみたい」
「そうか…なんかあの赤いのが気になったんだよね〜」

宮城は2人のやり取りをその場に立ったまま眺めていた。やっぱり、以前とは2人の雰囲気が違う気がする。自分が伊達の下に着いた時はまだそれ程久遠との距離も近くは無かった。
しかしごく最近、一気に2人の雰囲気が変わったように思える。宮城にはそれが少し不可解で、何だか面白くなかった。そもそも伊達は自分の上司であり(一応)(形式上)相棒であるのに鑑識課の久遠と行動している事の方が多い(気がする)。


「…宮城くん?」

「……へっ!?」
ハッと名前を呼ばれた先を見ると、伊達の穏やかな視線と久遠の少しにやけた視線が自分に向けられていた。
「…あ、あっ!し、失礼します」
そそくさと鑑識課を立ち去る宮城を不思議そうに見送る伊達に、久遠は笑いをこらえて顔を向けた。



「伊達さん、ラーメン食いに行こ」











ごめんねあすかちゃん

悪いけど男の嫉妬は女の比じゃないよ。

あんたみたいな可愛い子が傍に居るんだ。こっちだってなりふり構っていられない。







まあ、俺達はもう運命共同体だから








誰にも、邪魔させないけどね





end

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