Novel

□Does it become a crime?
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自分の思いに気づいたのは数ヶ月前。
いや、本当は気づいていたのかもしれない。
ただ信じたくなかっただけで―・・・
 
       * *

「先生、おはようございますっ!」
「おはよう、星筵さん」
朝、先生に会えたのはラッキーだった。
というか、会えたのは偶然以外の何でもなくて。
たまたま朝早く起きたから、と言う理由でいつもより少し早い電車に乗った。
駅のホームで見かけたのは大好きな先生の姿。

私、星筵 紫(ホシムレ ユカリ)は、副担任の先生、久杉 柊(クスギ シュウ)に絶賛片思い中ですっ!

       * *
 
先生と私はなりゆきで一緒に高校へ行くことになった。
さすがに目的地が一緒なのに、別々に行くなんてことはよほどの事が無い限りない。・・・多分。

「私、先生達ってもっと早く学校に行ってるのかと思ってましたよ〜」
「僕は朝寝坊しちゃうんですよね。
生憎、起こしてくれる人なんていないので」
苦笑気味に言う先生。
ってことは・・・
「先生一人暮らしなんですか?」
「えぇ。
実家から通うとなると、めんどくさいんで、引越ししたんですよね」
「なるほど」
「星筵さんは朝ちゃんと起きれる人ですか?」
「残念ながら私は普段、遅刻ぎりぎりですよ・・・」
私の返答を聞いて、先生がちょっと笑って
「ならお揃いですね」
なんていってくれたっ!

先生とお揃い・・・!
何か、何気ない一言なんだろうけど嬉しいなぁ。

       * *

「それでは星筵さん。また数時間後に会いましょう」
「はーい!先生も頑張ってください!」
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