薄桜鬼BLCP3

□酒席は告白大会?
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屯所恒例情事


夏の飲み会が始まったらしい



酒が飲めて尚且つ酒が好きな如何し様もない

蘭学者の俺




勿論参加




「今年こそ平助より最初に倒れねぇ」
と宣言したのは新八



「無理だと思うぜ?

俺ら毎年平助よりも先に酔い潰れるから」




「そうそう

平助は屯所全員の幹部をあしらえる位の酒豪だからね


無理な事はしない方がいいと思うよ?


平助に介抱されるならしても良いけどね」







左之と総司の言葉に


尚も食い下がる新八






「…其よりも

総司は介抱された経験があるのか?」



一君の言葉に

「……悔しいけどね

この人かなりのザルだよ」




かちこちに石化して


さらさらと砂になる新八を慰める左之


「ほら、あの総司だってああいっているんだから


諦めろ」











俺は新選組の医者をしている為、かなり好意的に酒席に呼ばれる




酔った隊士達を介抱するのもかなり得意



絶対酔わない自信があるからだ









「そろそろ、私はお暇させて貰おうか」

年長者の源さんが先に立った






すると


「俺も立つ」



酒は強いのだが、歳君は以前、倒れる寸前まで飲んで、総司が案の定倒れた経緯からかなり節制していた









「へぇ

土方さんって変な所で損ですよね

いっぺん介抱されてみればいいのに」





「総司、てめぇな

人の手を煩わせて如何する」




「何ですか

愛しい人に介抱されて何が悪いんです?

独り占め出来るいい機会じゃないですか


別に貴方がいいなら僕が平助掻っ攫いますけどね」




「ああ、悪いか

是が俺の愛情表現なんだよ!

好きな奴に迷惑かけるのが一番俺は嫌なんだ


悪いか、この野郎」










「つくづく能天気ですよね

恋って言うのは自分から積極的になってからこそでしょう?

其頭の回転でよく副長やっていられますよね」









「煩ぇ

お前はもっと引くっていう事を覚えやがれ


お前の組長の名、取り上げてやろうか?」





段々、白熱する2人の俺に対する会話だろう


弁舌が凄くなってくる





2人とも酔っているのだろうか




俺の心配を他所に左之は言った





「あの2人はお前の事が前から好きで仕方なかったって事だ



お前はどっちが好きなんだ?」




俺は固まった





思い出しているのは2月前の総司の介抱の時




妙にドキドキしたのだ




ただの年下の新選組の幹部だとしか思っていなかった筈なのに










「……なんかさ


総司の表情見てるとドキドキするのは何で?」







俺の言葉に

「……おい

其って末期だぜ?


其が恋なのによ」


今度は新八がそう釘を刺す







「……だって

しょうがないじゃん


多分、此処まで好きになったのは総司が初めてだし……」






消え入りそうな声にも即座に反応したのが







「其本当?」



後ろに総司が真剣な眼差しで立っていた










「……う、うん」


俺はどぎまぎしながらそう言った








「……しかたねぇか

判ってた事だがな」





と歳君は笑って酒席を後にした







尚、左之と新八は倒れる寸前まで飲んだらしい
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