薄桜鬼BLCP4

□湾曲した恋情
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総司は俺といる時は機嫌が何故か悪くない


だから、また、一緒にいれば機嫌が直ると単純に考え過ぎていた






「……如何したんですか、藤堂君」


俺は恨めしそうに山崎君に切れた結い帯を見せた


「…切れちまったんだ

そろそろ夕刻だし、今日は俺が屯所に留まる日だから外に出られねぇし」



そんな俺を余所に左之さんや新八つっぁんは飲みに行ってしまった







「…是でよければあげますよ」

そう言って渡してくれたのは髪を結い上げる櫛と簪




「……いいの?」


取り合えずこの煩い髪を如何にかしたかったから、本当にいいのか聞く


「構いませんよ

使い方は解りますか?」



素直に解らないと言った


何しろ、監察方ではないからこんなものに縁はない




俺よりも長身で均一の取れた筋肉を持つ山崎君だけど、是で髪を結い上げたら長身の美人で通るだろう




「こうやって使うんですよ」



そう言って自分の髪を結い上げて教えてくれる



俺はふんふんと頷きながら、試しに結い上げてみる



「……如何かした?」



俺は固まっている山崎君に手をヒラヒラと振る


何か変なら言ってほしい



「…いえ、凄く綺麗に結い上げられていますよ


初めてとは思えない位に」


「…そう?

何か固まっているから変なのかなって」


俺は良かったとにっと笑った


「……綺麗過ぎなんですよ」


「…何か言った?」



俺は良く聞こえなくて聞き返す


「…いえ、其よりもこの後副長に呼ばれているんですよね?」


うんと頷いて


「…ありがとう」

そう言って俺はパタパタと土方さんの下へ走って行った


















其日の夜



偶々、総司の湯浴みが重なった



「…あれ?

平助、其髪飾り如何したの?」




俺は髪を洗って髪を上に結い上げて


ちゃぷんとお湯に入る



「山崎君から貰った

結い帯切れちゃってさ」



と何気なしに言ったのだが




「……平助」


「…何だ?」


何か凄い恐い


目が笑っていない



口元は笑っているのに




「……お風呂上がったら僕の部屋においで」






其は有無を言わせない言葉















俺は少し怖気付きながら


「…総司?」


障子をそっと開けたら




「…んっ……!?」



いきなり口付けられて







「……君は僕のものだよ?

放したくないんだ

誰の足跡も残したくない」








「…や…っ…ん…っ」


寝間着を肌蹴させられて


乳首を思い切り抓られた




「…い…った…っ」


「…こんなものもいらない」

そう言って山崎君から貰った髪飾りも無残にも割った







「…ちょ…っ…そう…っ…あ…っ」


ぎゅっと下肢の性器を力任せに握られて



「…痛みに感じるの?

淫乱だね」



ぐちゅぐちゅと音を立てて上下に動く指




「……っ…ん…っ…も…っ…やめ…っ…」


俺は瞳に涙を溜めて抗議する




「…だめ…

君は僕のものだって告示しなくちゃ」





そう言って無理矢理身体を繋げられる




排泄口は先走りで多少は潤っているとはいえ、其処は何も受け入れていないところだ





「…っ…あん…っ」


中は圧倒的質量の総司の性器を無理に突っ込まれて、ぎちぎちと軋みながら、鮮血を流した



「…ふふ

是で君は僕のもの

誰にも渡さないよ、誰にも」




痛い筈なのに、恐い筈なのに




「…あ…っ…は…っ」


「…出血と精液で滑りがよくなったね

認めなよ、気持ちいいって」





打ち付けられる腰の動き



ヌチャヌチャと響く厭らしい音





俺は必死で現実に戻ろうとするけれど




「…ああ…っ」


総司に性感帯の前立腺を摺られて呆気なく果ててしまった






「…っ…

身体は正直だね…っ」



総司の欲を感じて





















僕は倫理的に堕落していても、如何しても平助が欲しかった



だから




「…僕は後悔しないよ

そして、平助は僕のものだ」






そう言って平助の血と精液で縞模様に汚れた
太股から足首をゆっくり撫でた





僕のものだと抱き締めて




















其から俺は度々総司に抱かれるようになった






そして、気がついたこと



「…俺は総司なしじゃもう生きていけない…」










ある日、屯所が襲撃されて




「……一番組がヤバイな


八番組が援護に向かう」




多分、突然の来襲で人手不足






裏手を護っているのは一番組で










「……おい


一番組、組長沖田総司に刀向けた奴…前出ろ」




丁度、総司に刀が歯向かった時で




鮮血が宙を舞った





「…平助?」




「…言っただろう?


前に出ろって、聞こえなかったか?」
















僕は平助を見た時、僕に似ていると何故か身体が粟立った



止めに入らないとイケナイのに

















「…平助、やめろ」



そう言って止めたのは左之さんだった



「……僕が平助を壊したんだ」






僕はそう言って気を失った平助を抱き締めた





















「……総司」


俺は目が覚めたとき総司に有無を言わさず抱き着いた





「…平助?」




「……責任とってくれよ

俺、総司なしじゃ生きられない」




















胸に擦り寄る平助に僕は思った



この気持ちに名前をつけられなくて足掻いたけれど




平助が気がついてくれなくて本当に苛立った事もあったけれど







平助は自分を傷つける事で僕を受け入れてくれた





だから、僕は言った



「…僕は君のもの

平助は僕のものだよ?」





















俺は其言葉が何よりも嬉しくて






其時以来、総司以外と巡察も買物も行かなくなった







総司に依存し続けた






俺が死ぬ時は総司が俺を飽いた時




でも、其時は総司も殺してあげる
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