薄桜鬼BLCP4

□愛しているから、泣いて欲しい
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総司、総司、如何か、如何か泣いてくれ


俺はお前から絶対離れないから



「……倒幕……

そうか、『用無し』に僕はなったんだね」




近藤さんがいなくなって……更には倒幕という抵抗等出来りゃしない現実に……



総司は声もなく泣いていた





沢山の仲間が新選組から離れて、……俺は総司といる事を選んだ





総司が壊れそうなら俺は総司を壊さない様に頑張るから


如何か、如何か泣いてくれ



桜が散るように皆が消えても、俺はお前の大木に、枝になって支えて行きたいんだ









「……平助って如何して僕の傍にいる訳?

新選組ももうないし、僕は斬る事しか能がないのに」




俺は部屋に篭りっきりの総司に何時も通り、食事を作って食べるまでじっと座っている





「……総司が泣かないんだもん

如何したら泣いてくれるかって考えているところなんだよ、俺は」





















僕は其言葉に何故か意味もなく涙が零れた




嗚呼、平助は何て綺麗で無垢なんだろう



真っ直ぐに自分を思う道を行って、正直に後悔して、懺悔して、涙を流す





僕は平助に泣いて良いんだと言われた気がして……、本当に武士だったのかと思う位華奢な彼を掻き抱いて泣いた


























「……僕、初めて人前で泣いたかも」


俺は三日月型に唇を歪めて、

「漸く泣いたな

大丈夫だぜ?

俺は幾らでもお前の傍にいてやる


其位なら俺にでも出来るから」

どんなに時が流れてもお前を置いていなくなったりしないから


























僕は確かに平助は綺麗だと無垢だと思ったけれど




其は半分だけしか当たっていない事が彼と日々を重ねる事で解った







彼は素直に自分を出す事で……愛情を確認していたんだ





そして、自分を奮い立たせる為に、数々の叱咤と懺悔を繰り返して、笑顔を作って皆の光りであったんだ


























「……助…、平助……、平助!」



俺は抱き起こされる力に目を開いた






「……あれ、総司如何かしたのか?」




腫れぼったい重い瞳



「……君こそ、本当の意味で泣いて貰わないと駄目なんじゃないの?」




俺は総司に掻き抱かれて……あやす様に背中を叩かれた















「……俺は皆、皆痛みを背負っているから1人で泣いて……


笑っていれば皆愛情を返してくれて



見返りを期待している俺は……きっと薄汚い


其でも……俺は皆が好きで……総司を恋しく思った」












「……僕は君を僕の全てで泣かしてあげたい位愛しているよ」




総司の言葉が甘く鼓膜を刺激した
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