薄桜鬼BLCP4

□愛を証明してあげる
1ページ/2ページ

「おい、大丈夫か?」

俺は隊務中に負傷した隊士を見舞いに大部屋に入る


「組長、ご足労かけました」

「良いって

俺にとっては皆家族みたいなもんだからさ」

俺は隊士達の間に入って胡坐を掻いて座る


「と言う事で、是俺からの土産

此処にいる連中達しか食えないから内緒な」


「…是って島原の近くの茶屋の饅頭…」

「しかも、高級品…」


「良いのかよ、こんなの貰っちゃってさ」


隊士の遠慮しているような仕草に

「食わないのか?」


「…おい、食わないと組長に顔向けできないぞ?」



俺は言葉を掛けると



「頂きます」


全員が饅頭に手を伸ばした
















平助は誰にでも愛想がいい



其こそ僕が心配になる位に


嫉妬しちゃうくらいに


ほら、今日もまた、隊士の部屋から笑い声がする



平助、君は『僕の恋人』なんだからね、自覚してよ…















「うわ、其って包帯男じゃねぇか!

肝試しで使えそう!」


隊士の包帯を取り替えている時に、何故か肝試しの話になり……

包帯が使えるんじゃないかという話になり



部屋中包帯男だらけになってしまい……←ある意味異様です



「そしたら、組長は皿を数える役とか?」


「1枚…2枚…、3枚……あら、1枚如何しても足らないわ……!」


隊士の物真似に更に腹を抱える俺


「…上手い、上手すぎ…!

大体、あれ女だろうが、お前なら女装すればいけるって」


ひいひい言いながら俺は、一頻り笑う




其処へ


「…随分楽しそうだね」


何処か冷たい総司の声が響いた




「総司!」

俺は満面の笑みで振り向く


しかし



(組長、絶対沖田さんの嫉妬にきづいてねぇって)


隊士達は何故か固まっている


「…ほら、組長、きっと沖田さんが話があるんですよ!」


隊士の1人が慌てたように言葉を発する


「おい、大丈夫かよ?

幾ら恋仲って言っても沖田さん相手だぞ?」


「針の筵に送り込むような真似して大丈夫か?」


隊士達の囁きは俺には聞こえず



「そうなんだ?

悪かった、俺鈍いからさ」


俺は隊士達に手を振って此処から一番近い総司の部屋に向かう



「…本当にヤバイ気がする」

「向かったの沖田さんの部屋だしな」←其より其顔の包帯取ろうぜ?ミイラだよby管理人


隊士達の囁きは俺にはやっぱり聞こえなかった















「随分楽しそうだったけど、何していたの?」


「ん?

隊士が負傷したって聞いたから見舞いに行ってただけだよ?」



「へぇ、お見舞いね……」


鈍い俺でも此処まで来れば判る…


「…総司、何か機嫌悪い?」



俺の言葉に

「うん、物凄くね」


と即答…其が異様に恐い





「君が誰のものかもう一度確認しようか

大丈夫、『抵抗しなければ』、隊士達には何もしないから」



こういうときの総司には弁解は難しい


俺は其でも愛しい人間の瞳を見つめた
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ