薄桜鬼BLCP4
□愛を証明してあげる
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「おい、大丈夫か?」
俺は隊務中に負傷した隊士を見舞いに大部屋に入る
「組長、ご足労かけました」
「良いって
俺にとっては皆家族みたいなもんだからさ」
俺は隊士達の間に入って胡坐を掻いて座る
「と言う事で、是俺からの土産
此処にいる連中達しか食えないから内緒な」
「…是って島原の近くの茶屋の饅頭…」
「しかも、高級品…」
「良いのかよ、こんなの貰っちゃってさ」
隊士の遠慮しているような仕草に
「食わないのか?」
「…おい、食わないと組長に顔向けできないぞ?」
俺は言葉を掛けると
「頂きます」
全員が饅頭に手を伸ばした
平助は誰にでも愛想がいい
其こそ僕が心配になる位に
嫉妬しちゃうくらいに
ほら、今日もまた、隊士の部屋から笑い声がする
平助、君は『僕の恋人』なんだからね、自覚してよ…
「うわ、其って包帯男じゃねぇか!
肝試しで使えそう!」
隊士の包帯を取り替えている時に、何故か肝試しの話になり……
包帯が使えるんじゃないかという話になり
部屋中包帯男だらけになってしまい……←ある意味異様です
「そしたら、組長は皿を数える役とか?」
「1枚…2枚…、3枚……あら、1枚如何しても足らないわ……!」
隊士の物真似に更に腹を抱える俺
「…上手い、上手すぎ…!
大体、あれ女だろうが、お前なら女装すればいけるって」
ひいひい言いながら俺は、一頻り笑う
其処へ
「…随分楽しそうだね」
何処か冷たい総司の声が響いた
「総司!」
俺は満面の笑みで振り向く
しかし
(組長、絶対沖田さんの嫉妬にきづいてねぇって)
隊士達は何故か固まっている
「…ほら、組長、きっと沖田さんが話があるんですよ!」
隊士の1人が慌てたように言葉を発する
「おい、大丈夫かよ?
幾ら恋仲って言っても沖田さん相手だぞ?」
「針の筵に送り込むような真似して大丈夫か?」
隊士達の囁きは俺には聞こえず
「そうなんだ?
悪かった、俺鈍いからさ」
俺は隊士達に手を振って此処から一番近い総司の部屋に向かう
「…本当にヤバイ気がする」
「向かったの沖田さんの部屋だしな」←其より其顔の包帯取ろうぜ?ミイラだよby管理人
隊士達の囁きは俺にはやっぱり聞こえなかった
「随分楽しそうだったけど、何していたの?」
「ん?
隊士が負傷したって聞いたから見舞いに行ってただけだよ?」
「へぇ、お見舞いね……」
鈍い俺でも此処まで来れば判る…
「…総司、何か機嫌悪い?」
俺の言葉に
「うん、物凄くね」
と即答…其が異様に恐い
「君が誰のものかもう一度確認しようか
大丈夫、『抵抗しなければ』、隊士達には何もしないから」
こういうときの総司には弁解は難しい
俺は其でも愛しい人間の瞳を見つめた