バサラBLCP2 更新停止中

□気味悪い?綺麗だと思うのは間違え?
1ページ/1ページ

俺は父上に手を引かれて然る屋敷に連れてこられた


其処で出会ったのが梵天丸、後の伊達政宗公であった





「……梵天丸殿は如何して部屋に入らないのですか?」


とてとてと走り寄って聞いた


「……てめぇには縁がねぇ事だ

さっさと部屋に戻れ」



「……つまらないから出て来たのです

梵天丸殿がいないのはつまらなさ過ぎまする」




俺は隣に座りながらそう言うものだから、梵天丸殿は目を見開いた



「……お前、俺が気味悪いとか思わないのか?」


俺はきょとんとして彼を見た


「…気味悪いですか?

とても綺麗に見えました」






「……お前、名前は確か…」

「弁丸でございます」


「……弁丸か……

お前、変わり者だな」



俺は今度は小首を傾げた


「大抵、俺を見ると大人は哀れむか気味悪がるか、同年代でも変わらないな」

ぱらりと落ちた眼帯に……


……嗚呼、そう言う事か













幼き頃の高熱により失われた右目……



今でも捨てた母君を恨み、可愛がられた弟君に嫉妬しているという






「俺は醜い自分も嫌いだ


哀れむ瞳も嫌いだ」







俺は傷付いた瞳を見て言った


「…其でも俺は綺麗だと思います


其瞳に有りの侭を映し、其鋭いお気持ちで生きてこられたのでしょう?」



羨望ではなく、ただ純粋に其強く光る瞳が綺麗だと思った







皆はきっと暗い瞳だと仰ったのだろうけれど







「お前は人を疑うとかしないのか?

……まぁ、そんな…弁丸だからこの瞳を曝け出す事が出来たのかもな」




何時の間にか着けられた眼帯を見て






「人がどの様な事を言っても俺は其瞳が好きです」


と言った





「……お前の其馬鹿な位な純真さも俺は好きだよ


疑わなくて済むからな」




聞こえるか聞こえないかの声で、俺は聞こえなかった



「…何か言いましたか?」



「…いや、部屋に戻るぞ


お前がいるなら別に戻ってもいい気がした」





「はい、俺も其方が嬉しいです」







是はまだ奥州の独眼竜、甲斐の紅蓮の鬼と言われる前の小さな小さな武士の馴れ初めの出会い





後の天下分け目の合戦の前の小さな出会い




血肉を引き千切る前のまっさらな

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ