薄桜鬼BLCP3

□にゃんにゃん日和
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え……



俺は朝鏡を見たら



猫になっていた



茶色い毛並みの猫に




(……如何しよう……)


何か違和感を感じたのだ




如何してこんなに文机が高いのか






如何して左之さんがこんなに大きく感じるのか






俺は慌てて文机に飛び乗り自分の姿を見て




絶句しました……





「ん……

平助?」



俺はびくっとして固まる




「猫?


如何した、迷い込んだのか?」




左之さんはそう言って俺を抱き上げる




「ニャ、ニャ、ニャン(左之さん)

ニャー、ニャ、ニャ、ニャッ、ニャッ?(平助だよ)」




俺はそう猫語で言うが

「如何した、腹でも減ったか?」



全く伝わっていない




俺はガクッと頭を凭れ


「ニャ、ニャ、ニャ、ニャー……(違うって……)」







左之さんは俺を撫でて

「待っていろ

今、何か持ってきてやるから」








そして、1匹(1人)残された





(何で俺は猫になったんだっけ?)




遂昨日まで俺は人で、新選組の組長だった筈だ















いろいろ考えていたら




「……あれ、猫じゃない


迷い猫かな」


俺は総司に抱かれて再び、訴える


「ニャー、ミャ…(総司)

ニャ、ニャ、ニャン、ニャ(左之さんが)

ニャ、ニャ、ニャッ(俺を判ってくれなかった)


ニャー、ニャ、ニャッ(総司は)

ニャー、ニャ、ニャ、ニャッ(平助って)

ニャ、ニャ、ニャッ?(判る?)」



と言うが




「この子すっごい可愛い……!」




伝わらなかった


ただじゃれて鳴いていると判断されたらしい




「…ニャー、ニャ、ニャ……(如何して…)」
俺はまた項垂れる羽目に













「総司か

如何した?」


「左之さんが拾ってきたの?

この子猫……」


「いや

朝、起きたら平助の代わりにこいつがいた」



手にはお握りがお盆にのかっていた









「ほら、食えよ」


左之さんは指で崩して俺の口元に持ってきてくれる





俺は其を無碍にも出来ず



ぺろぺろと舐める様に絡め取って食べる







「でも、左之さん

其子如何するの?


屯所じゃ近藤さんが許容しても土方さんがいるじゃない?」






「ニャ、ニャ、ニャッ?(捨てるの?)


ニャ、ミュ、ニャー、ミャ(大丈夫)

ニャ、ニャ、(俺は)

ニャ、ミュ、ミャ、ニャッ、ニャッ(1人でも)」



俺は少し寂しかったが、暫く何処かで隠れていようと思った








そして、俺はするっと左之さんの指から離れて外に飛び降りる



身軽な方だが、今日はいつも以上に軽い







「おい、待てって……!」
俺は振り向きもしないで尻尾を振って消えた

















しかし、外は生憎の雨



俺は寒さに尻尾を振って雨宿りをしていた



すると


「あ、やっぱりな


来い、暫く屯所預かりだから」










左之さんが追いかけて来てくれたのか俺を抱上げてくれる







俺は其愛おしい温もりに俺は頬を摺り寄せた






































「如何した?」


「ニャーッ(あー…っ)」


俺は部屋に入ってきた山南さんを見て思い出した


この猫化した理由を






「ニャン、ニャン、ニャン、ニャン、ニャッ、ニャッ(山南さん)

ニャ、ニャ、ニャン、ニャン、ニャア、ニャ、ニャッ?(戻して下さい)」


俺は必死で訴えるのに



「原田君

可愛い猫ですね」


この人解っていながら無視した……




俺は腹癒せに跳躍して


「ニャーッ…!」


猫の拳でメガネを叩き落す


「おい…!」
左之さんが止めるも



「キシャーッ…!」

俺は毛を逆立てて睨む



早く人に戻せと






しかし


「嫌われてしまった様ですね


では、私は是で失礼しますよ


そうそう、藤堂君にはちょっと遠方に言伝を頼みまして『暫く』いないので」






と言い残してにこやかに去って行った
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