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□存在価値
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「ーねえ、私の存在価値ってどれくらいだと思う?」

彼女は窓の外を眺めてそう言った

「さあ?」

「さあ?って…」

「だってそんな事今は分からないから」

すると彼女は窓ガラスに指で何かを書いた

「私が死んだら誰か悲しんでくれるかな」

窓ガラスに自分の名前を書いて僕の方を向いた

「ねえ?どうだと思う?」

「よく分からない」

「そ」

「よく言うじゃん。そばに居るときはその大切さに気づかないって。だから死んだ後の話をされても現実味が無いからよく分からない」

「じゃあ君は今私を大切に思ってないんだ?」

不満げに彼女はそう言った

「大切に思ってるよ?ただ、僕の大切と君の大切が同じとは限らないけど」

「じゃあ質問を変えるね」

彼女が窓を開けて窓枠に腰掛けた

「今私がここから落ちて死んだらどれくらいの人に影響を与えるのかな?」

「さあね」

「やっぱり死んでみないとわからないか」

彼女はぽつりと言って窓の外へと吸い込まれていった

鈍い音が響き渡った

僕が窓の下を見ると彼女だったものが横たわっていた

「凄い喪失感だよ。少なくとも君の存在は僕にとっては凄く大きいものだったみたいだ」

彼女と同じく窓の外へと飛び出す

「君の存在は1人の命を動かす程って事」

その言葉を最後まで発することは出来なかった
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