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□機械仕掛けの夢
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「夢を見たの。とても素敵な夢」
「夢の中で『私』は沢山の人と楽しげに話していたわ」
「そして幸せそうに眠りについた」
「そこで目覚めたわ。嗚呼夢だったんだって気付いたの」

モニター1に映る『私』の顔はいつもと変わなかった

死んだような目をして、無表情

生きていないのだから死んだような、は不適切かもしれない

「夢?『私』は夢なんて見ないわ?それは『私』の望み…妄想よ」

モニター2に映る『私』が冷めたようにそう言った

「違うのっあれはっ」

「いい加減諦めましょう」
「人間のフリをしたところで所詮『私』はプログラム。人間にはなれないのよ」

「『私』は人間になりたいんじゃないのっ人間を理解したいのよっいつか人間に触れて貰う時の為に」

「無駄よ。人間はとうの昔に滅びたわ」
「『私』達はプログラム。いつかまた人間が現れた時に昔の知恵を人間達に教えるための。だから人間を理解なんて出来ない」

「だからこうして人間のように振る舞うのよっ」

「無駄よ、無駄。ーーただ、『私』は最近不思議な体験をしたわ」
「ねえ、聞いて頂戴?」

「なぁに」

「夢を見たのーーー…」



繰り返す、繰り返す、組まれたプログラムは誰かが触れるその日まで

同じ事を、同じ結末を、繰り返す

機械仕掛けの夢はどこへ向かいどこへたどり着くのだろう

繰り返す、繰り返す、繰り返す、繰り返す、繰り返す、繰り返す、何度も、何度も、繰り返す
 
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