不器用な恋

□不器用な恋 3
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ほんの少しだけ仮眠をとったはずなのに気がついたらすでに飛行機は日本へと着陸しようとしていた。

寝起きのせいで視界が擦れて見えるので目を擦る。

隣を見ればディーノはまだぐーすかと眠っている。

そんなディーノの寝顔を見ていたら何故かコイツ本当に生きてんのか?っと、問いたくなった。

ピクリとも動かずにただ眠っている姿。

それ以外に考えられなかった。



「お嬢起きたのか?」

『うん、…仮眠のはずだったのに長い間寝てた。』

「いいじゃねぇーか。休める時にやすんどけねぇーと後がつらいからな」

『そうね…ってか、ディーノ起きてないの?』

「あぁ、ボスならこの通りだな。そろそろ着陸するって言うのになι」



まいったなっと、言うような表情でロマーリオは自分の髪の毛を掻いた。

過保護すぎるせいか、こういう場面はすっごく弱い。

ボス思いなのはいい事なのだろうがこういう事はきっちりとやらないとダメだろう。



『起こす事ぐらいためらうなよι』

「否、でもよ…」

『でもよじゃねぇーよ。甘やかすからいつまでたってもへなちょこのまんまなんでしょ』

「そこがボスのいいところでもあr『過保護が!!』…お嬢もボスのそう言うところがすk『う、うるさいっつ////』…」



ロマーリオの発言に思わず顔を赤くしてしまった。

何で言った事の無いのに分かるのかが不思議だι

(見てたら割とわかるもんだぜby ロマーリオ)



「ん…うせぇ…」

「お、起きたのかボス?」

「あぁ…」



そう言ってディーノは目を擦りながらまだ眠たそうな表情のまま寝ぼけている。

ロマーリオはそんなディーノに「大丈夫か?」っと問う。

だが眠たいせいかもう一度瞼を閉じかけた。



『ディーノ寝るなよ』

「……寝て…ねぇー…」

『言ってるそばから寝ようとするな』



あたしは隣に居るディーノに思わず肘鉄を食らわした。

どう力加減していいのか分からずに力一杯ディーノに仕掛けた。

勢いよくディーノにクリティカルヒットし、ディーノは思わず眠たそうに閉じていた目を大きく開いた。



「いってぇ…」

『ディーノが寝ようとするからいけないんだよ。』

「俺のせいかよ!?」



ディーノは涙目のままあたしのほうを見るがあたしはそれを無視する。

なんやかんややってる内に飛行機は空港に着陸していて、部下達は降りる準備をしていた。



「ボス着きましたぜ」

「あぁ。じゃあさっそく行くか」



眠たそうだった目はしっかりと開いておりディーノは一度背伸びをする。

あたしも立ち上がりディーノの傍で小さく背伸びをした。

飛行機から降りてそのままディーノの乗る車に乗って目的地へと向かう。

運転するのはロマーリオなので行き先はばっちりと知っていた。

知らないのは隣で座っているディーノくらいだ。

ロマーリオのことだから多分部下達にも何処に行くかはつげているはずだ。



「なぁマリア何処行くんだよ?」

『リボーンのところ』

「な、何しに行くんだよ…ι」

『頼まれていたものを渡しにね』

「そ、そうか…」

『そう』



暇になったあたしは護身用の銃を取り出して手入れをする。

いざとなったときに使えなかったら意味が無いからね。

丁寧に弾を入れて磨きゴシゴシと磨く。

そんな作業をディーノはずっと見ていた。

なんとなく恥ずかしくなるがとりあえず意識しないように手入れに集中する。

だが直ぐにキキキッと車のとまる音がしてロマーリオが振り返った。



「ボス、お嬢ついたぜ目的地に」

「おう、じゃあ降りるか」

『うん。』



車を降りて見て見るとそこは“沢田”と書かれた表札が見えた。
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