今日はバレンタイン。
だけど僕たちは普通の日と変わらず一日を過ごしていた。
…まぁ、今日のお客様たちの悩みは恋に関するものが多かったんだけど。
とにかく今日も終わりに近付いた頃、僕も恋人のところに向かった。
「新宿さん。」
「二人っきりの時は“凛”だろ、史ちゃん。」
「…史ちゃんって呼ばないで下さい。」
「冗談だよ、史。」
そういって凛が笑うと、心の中が穏やかになる。
僕は微笑みながら凛の隣に座る。
「あ。」
そういえば、と思いながら持っていた袋からあるものを取り出す。
「凛、これ食べない?」
「これって、エクレアだよな…?」
「うん、さっきお客様と一緒に外に出た時に買ったんだ。」
といって、凛にエクレアを渡す。
凛は「サンキュ」といってそれを受け取った。
「でも、珍しいな。史がシュークリームを買わないって。」
「…なんか、エクレアを食べたい気分だったから」
そういうと凛は何か納得したような顔をして、エクレアを食べた。
…エクレアを食べたいというのは口実で、実はこれがバレンタインのチョコの替わりなんだけど。
本当は凛から貰いたいけど、凛はそういう事をしないから…。
「史」
「え?」
「食べないのか?」
「あ、うん。食べるよ。」
といって一口、口に含む。
エクレアは甘さが控えめですごく美味しかった。
ちょうど食べ終わった頃、凛が指を舐めていた。
「凛、何してるの…?」
「何って、指についたチョコ取ってる以外になにがあるんだよ。」
そういって凛はまた指を舐めた。
それを見ていると、無意識に凛の手を掴んでいた。
「…史?」
凛がきょとんとした様な顔で僕を見る。
僕はそれに気付かないふりをして凛の手の平を舐めた。
「っ史!?」
「僕が舐めてあげる。」
そういって凛の指先を口に含み舐める。
凛は手を引こうとしたけど、僕はそれ以上に力を入れて顔の前で留めるようにした。
「史っ、もういいって!」
「こっちについてるからダメ。」
「史っ!!」
僕は顔を赤らめる凛を見上げる。
少ししてから口を離す。
「凛…その気になった?」
「っ…!」
「そっか。」
かわいい、といいながら手を引いて凛の頬にキスをする。
「凛、愛してる。」
そして僕は凛を押し倒して、口づけた。
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後書き
こんなネタばかりですいません!
けど、バレンタインぽくないな(笑)
いろいろと考えたんですけどこんなネタしか浮かばなかったorz