※管理人の趣味により汐六、月両表現が微妙に出ます。
今日はバレンタイン。
私たちはいつもと変わりなく通常業務を全うしていた。
「はいっ、皆さん!今日はバレンタインデーということで日頃の感謝を込めて私からバレンタインチョコですっ!」
といってあかりが全員にチョコレートを渡していく。
「都庁さんも、どうぞ。」
「あぁ、ありがとう。」
「いえいえ〜。じゃあ、私はこれで失礼しま〜す。」
そういって私が受け取るとあかりはすぐに前の車両へと移っていった。
あの様子だと車掌にも渡すんだろうな。
「汐留くん。ちょっといい?」
「う、うん!いいよ!」
「月島も、いいか?」
「ええ、構いませんよ。」
あかりが出ていくと六本木たちも隣の車両に移っていった。
そのあと、新宿からの強い視線に気付いた。
「新宿?」
と呼ぶと、新宿は急いで視線を外す。
私はそれが気になり、新宿の隣に移動した。
「どうした?」
「ん?別に何にもねえよ。」
それにしては視線が強かった気がするが…。
まぁ、いいか。と思い話を変える。
「…それにしても、六本木たちは何をしに行ったんだ?」
「は?都庁、お前知らねぇの?」
「何がだ?」
「あいつら、付き合ってるんだよ。」
は?
「えっ、えぇぇ!?」
驚き思わず、新宿の耳元で叫んでしまう。
新宿は手で耳を塞いで、話しを続けた。
「六本木は汐留と、月島は両国と付き合ってるんだよ。」
「そ、そうなのか…。」
「だから、バレンタインチョコでも渡しにいったんじゃないか?」
「な、なるほど。ところで…。」
一つ、咳ばらいをする。
「凛は私にくれないのか?」
そういうと新宿は一瞬、驚いた顔をして笑い出す。
「わ、笑うな!」
「ははっ、悪い悪い…っ。」
そういいながらまだ笑っている新宿にムッとして顔を背ける。
「そう怒るなよ、前。」
「怒ってない。」
「その言い方は怒ってるだろ?」
新宿はそういっているが、私は断じて怒っている訳ではない。
ただ、新宿に振り回されて気に食わないだけだ。
「前。」
少し考え込んでいたら、新宿が目の前に移動していて驚く。
「な、何だ。」
「何だ、じゃねぇよ。コレ、要らないのか?」
と、目の前に出されている箱に気付く。
「俺からのバレンタイン。」
「あ、あぁ…ありがとう。」
「それとな…」
受け取ろうと手を出した瞬間、新宿に口を塞がれる。
私はその一瞬の間、何が起こったかわからず呆然とした。
「コレはおまけだからな。」
と言われた時に、やっと理解して顔が熱くなる。
「りっ…。」
「じゃあ、ホワイトデー楽しみにしてるからな。」
名前を呼び止める間もなく新宿は隣の車両に移ってしまった。
私はそれを見送ると、一ヶ月先の予定を立てるためにスケジュール帳を開くのだった。
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後書き
…バレンタイン過ぎて何日か。
すいません。
どうしても都庁さんが凛ちゃんに振り回されて欲しくて書いていたらこんなに遅くなりました。
凛ちゃんの強い視線の事に都庁が触れていないのでここで解説〜。
強い視線の謎は都庁があかりのチョコを受け取っていたからです。
私のサイトの凛ちゃんは基本的にヤキモチなんでwww