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□『喧嘩』Ver.新宿
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都庁と喧嘩をした。
喧嘩のきっかけはほんの些細なこと。
でも、その些細なことが自分の中で許せなくて。
壁を強く叩いて、ミラクルトレインから飛び出した。
それから数時間、神社の境内に佇み心を落ち着かせてみると、胸の中に残ったものは
罪悪感―――
『あの時、素直に許しとけば』
『あの時、素直に謝っておけば』
そう思う度にどんどん、どんどん自分の心が曇っていく。
少し、空を見る。
青々とした空を見ていると、考えていた事が全て空虚なものに思えてきて。
そう思えてきたら、ふと、心の中の蟠りが解けた。
そうして、俺は走り出した。
走って、走って、走って――
都庁の名前を読んで、振り返ってもらえたら、たった一言だけ。
「ごめん」
この一言で、アイツは許してくれるから
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