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□少しの嫉妬
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「都庁さん、お疲れ様でした。」
「あぁ、お疲れ。また今度一緒に話をしよう。」
「是非。では失礼します。」

そうして大門はミラクルトレインからでていった。

やはり刑事モノは大江戸刑事だな。と思いながら、皆がいる車両に戻る。
皆の所に戻ると、さっきの話で盛り上がっていた。

「あのまことさんの動き、凄かったよね!」
「ええ、女性にしては素晴らしい身のこなしでした。」
「あ、都庁さん。」

六本木が私に気付いた。

「お疲れ、リーダー!」
「あぁ、お疲れ。」

皆からお疲れという言葉が次々と聞こえる。
が、その中で新宿の声だけが聞こえなかった。
不思議に思いながら、シートに座って皆の話に交じる。

「都庁さん、かっこよかったよ!」
「そ、そうか?」
「うん!」

汐留にそう言われて少し照れる。

「新宿さんもそう思ったよね?」
「ぇ、あぁ…」

歯切れの悪い返事。

「新宿?」
「ん?」
「どこか具合でも悪いのか?」
「何もねぇよ。」

そういって、シートから立ち上がり隣の車両に行ってしまった。

「どうしたんだろ?新宿さん…。」
「さぁ、疲れてるんじゃねぇか?」
「そうでしょうか?私は違うと思いますが…」
「僕もそう思うな。」

月島と六本木が微笑みながら私を見ていた。

「どういうことだ?」
「だって、新宿さん…」

都庁さんが帰ってくるまで、ずっと前の車両を見てたんだよ?

六本木が微笑みつつ、そう言い私は急いで新宿を追いかけた。
都新
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