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□[捧げ物]名前を呼んで
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今日こそ新宿さんに名前を呼んでもらう。
そう意気込むのは、僕、六本木 史。

僕も結構照れ屋であまり呼べないんだけど、やっぱり恋人なんだから呼んでもらいたいというのは誰にでもあると思う。

と思っていても、あまり上手くいかないもので…。

『名前を呼んで』


二人きりになろうと思い、ずっと我慢をしていたら気付くと夜になっていた。

「新宿さ―…」

すぅ、という寝息が聞こえた。

やっと二人きりになれたのに、新宿さんはうたた寝中。

仕方ないので僕は新宿さんの隣に座り、パソコンを開いた。

カタカタという音がこの空間に響く。


しばらくすると、新宿さんが動き始め背筋を伸ばす。

「おはようございます。」

話し掛けると、驚いた顔をして新宿さんはこっちをみる。

「なんだいてたのか。」

起こしてくれればよかったのに、と笑う新宿さんに少しときめく。

「それより新宿さん。」
「ん?」
「名前呼んで下さい。」
「…六本木?」

…予想出来てたけど…。

「そっちじゃなくて…」
「?」
「ファーストネームの方です。」

僕がそう言うと、新宿さんは少し戸惑ったような顔をした。

「凛」
と新宿さんの名前を呼んで促す。

「嫌だ。」

その一言を聞いただけなのに、何故か無性に腹がたって。
新宿さんをシートに押し倒す。
「おいっ、六本木!」
「早く呼んで、凛。」

指を絡めて、首筋を舐める。

「…っ!」
「凛」
「ぃ、やだ。」

何故、頑なに拒否するんだろうか。

「凛…凛太郎。」
「〜っ…。」

次は頬にキスをする。
そして、軽く口に。

「んっ。」
「言う気になりました?」
「…」
「言わなかったら、何回でも…」

口にキスをする。

「こういう事しますよ。」
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