ct
□[捧げ物]風邪
1ページ/3ページ
今朝から身体が怠い。
けど、それに気付かないフリをした。
『風邪』
コホッ、コホッ…――
さっきから咳が止まらない。
身体もアツイし、風邪でも引いたか?
そう思いつつ、次に来るお客様のために準備をしていると都庁が話し掛けてきた。
「新宿。」
「ん?」
「顔が赤いが大丈夫か?」
と顔に触れてくる。
その触れてきた手が冷たくて、少し心地好かった。
「新宿?」
ハッと意識を取り戻し、何事もなかったかのようにみせる。
「大丈夫だよ。それよりもうすぐお客様が来るぞ。」
そういいながら都庁から離れて、お客様を迎えた。
――――――………。
「お疲れ様〜。」
汐留の呑気な声が聞こえる。
「お疲れ様です。それにしても今日は新宿さんが活躍してましたね。」
「まぁな。女の子の悩みは放っておけないからな。」
「さすが、新宿さんだぜ!」
と言われたが正直に言って、きつかった。
熱もだんだんと上がってくるし、頭痛までしてきた。
隣で休もう。と思って立ち上がろうとするとめまいがした。
「新宿!」
倒れかけたが都庁が支えてくれて、地面にぶつからずにすんだ。
皆が騒いでいる中、俺は意識を失った。