ct

□[捧げ物]膝枕
1ページ/3ページ


「新宿さ〜ん、都庁さ〜ん。」
車掌さんに言われて二人を探しにきた。
といっても直線だからどこの車両にいるかわかればいいんだけど…。

8両目かな?

そう思いながら移動していくと、窓越しに新宿さんが見えた。

「あ、いたいた。新宿さ―…」

一瞬、自分の目を疑った。

だって、『あの』都庁さんが新宿さんの膝枕で眠ってるんだもん。

「お、汐留」
「…」
「汐留〜?」
「って、えぇ!?」

と遅れながら、リアクションをすると新宿さんが口を押さえてきた。

「馬鹿!静かにしろ。」

小声で注意される。

「だって、都庁さんが膝枕って!」
「だから静かにしろって」

そう言われて、少し驚きを落ち着かせる。

「…で、なんでこんな状態になってるの?」
「ん〜?成り行き?」

そういうと、新宿さんは都庁さんの頭を撫でた。
すごく優しい笑顔で…

…見てるこっちが恥ずかしくなってきた。

「ところで、汐留。」
「何?」
「なんか用があったんじゃないか?」

あ!あまりの光景で車掌さんが二人を呼んでるの忘れてた!

「えっと、車掌さんが新宿さんたちを呼んでたから呼びに来たんだよ。」
「ふぅん。じゃあ俺は都庁起こしてから行くから、お前は先に戻ってろ。」
「うん。」

そう言って僕は月島さんたちのところに戻っていった。

…都庁さんたちを見てるのは恥ずかしい

と僕は戻って行く途中ずっと思っていた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ