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□[捧げ物]I envy the person excluding you.
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お客様と六本木が店にいる間、私たちは外で待機をしていた。

「かぁ〜!寒いねぇ!身に染みる寒さとはこのことだなぁ…。」
「それだけ着込んで寒いとかいうな。」
「本当ですよね。」

しかし両国が言った通り、どれだけ着込んでいても今日は寒い。
雪もちらつき始めた。

「わっ!雪だ〜!」

汐留ははしゃぎ、店の前でうろうろしていた。
通行人たちはそんな汐留を見て微笑んでいた。

「くしゅっ」

と小さくくしゃみをする音が聞こえ、隣をみる。

「新宿、大丈夫か?」
「あぁ。」
「今日は寒い、と天気予報で言っていたのになんでそんなに薄着なんだ?」
「ん?この方がカッコイイだろ。」

そういう新宿に呆れながら、眺める。
新宿は寒そうに腕を摩る。
私は首巻いているマフラーを新宿に渡そうと手を掛けた時、新宿が、あ、と声を漏らした。

「どうした?」
「んー、ちょっとな〜。」

何かを企んだ様な顔を見せて、新宿ははしゃいでいる汐留を呼んだ。

「何〜?新宿さん?」

といって、近寄ってきた汐留を新宿はいきなり抱きしめた。

「!?」
「し、新宿さん!?」

私と汐留が驚いてる中、新宿は汐留にしっかりと抱きしめていた。

「新宿さん!ど、どうしたの?」
「やっぱり暖かいな〜、お前。」

ぎゅっと少し力を入れながら汐留を抱きしめて微笑んでいる新宿を見ると、何故か心の中が苛立つ。

「汐留〜、六本木が戻ってくるまでこうしてていいか?」

新宿のその言葉を聞くと、私の中でプツリと糸が切れた。
気が付くと、私は新宿と汐留を引き離していた。

「都庁?」

不思議そうに私を見る新宿に自分のマフラーを取り、首に巻き付けた。
それから手を握り、歩きだす。

「都庁さん(リーダー)!?」

月島たちが驚いて声をあげるが、私は「先に戻る」と言ってそのまま駅に向かった。
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