企画モノ

□1000Hit企画!!優姫様へ
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僕は新宿さんが好き。
けど新宿さんは多分、都庁さんが好きだと思う。
いつも一緒にいてるし、僕があの二人の中に入ると新宿さんはすごく気まずそうな顔をするし…
そういう事を思いながら、窓越しに新宿さんの方をぼ〜っとみているとあかりちゃんが声をかけてきた。

「六本木さん!」
「あ、あかりちゃん。どうしたの?」
「特に用はないですけど…また、新宿さんの事見てたんですか?」
「…うん。」

あかりちゃんは僕が新宿さんの事を好きだと知っている。
だから、たまに…いや、最近ではしょっちゅう相談にのってもらっている。

「そんなに好きなら告白しましょう!」
「こ、告白?無理だよ…僕には…。」
「でも、伝えなきゃずっとわかりませんよ?」
「…。」
「六本木さん…、好きならきちんと伝えましょう?その気持ちは六本木さん自身のものなんですから。それに、新宿さんも…」
「え?」
「ああ、いえ、なんでもないですよ。ほら、六本木さん勇気出して!」

ね、と可愛らしく微笑んでくれたから僕はあかりちゃんの頭を撫でた。

「ありがとう。」と、僕がそういうと
「どういたしまして」という返事が返ってきて二人同時に笑いだした。

「でも、私、六本木さんに頭撫でられるの好きだなぁ。両国さんだと力任せに撫でるから痛いんですよ。」
「はは…僕も好きだよ、頭撫でるの。」
「あ、じゃあもうそろそろ車掌さんのところに行かないと。」
「ありがとう、あかりちゃん」

そういうと、いえいえと言いながらあかりちゃんは前の車両に移動していった。
一人になった僕は今日新宿さんに気持ちを伝えようと決心をつけ、皆のいる場所に戻った。

―――――…………

俺は六本木が好きだ。
六本木はあかりの事が好きだと思うが…。
はぁ…と溜息を吐いていると、都庁が話し掛けてきた。

「新宿、溜息を吐くと幸せが逃げるぞ。」
「うるさい。」
「…はぁ。何を苛立っていているんだ?」
「…別に。」
「まぁ、どうせ六本木の事だろう。」
「分かってるんだったら言うなよ。」

そう、都庁は俺が六本木のことを好きだと知っている。
なんで都庁が知っているのか…まぁ、二人で酒を飲んでいたらうっかり、口に出してしまったからなんだけどな…。

「お前は変なところで奥手だな。」
「…悪かったな。」
「悪いとは言ってないだろ。」

と呆れながら言う都庁に睨みつける。
わかってるんだ、こんなこと八つ当たりだって。
はぁ、と再び溜息を吐く。
すると頭に手を乗せられる。

「…何だよ。」
「いや、励ましてやろうと思ってな。」
「…。」

俺は汐留じゃねぇぞ。
そう思いながら、その心遣いがすごく落ち着いた。
「サンキュ」と、小声でいうと「気にするな」と、返ってきた。
そうして二人で笑い合うと前の車両のドアが開いた。

――――…………。

僕がドアを開けると、目の前で新宿さんと都庁さんが笑い合っていた。
その様子を見ると少し胸が痛い。
けど、これくらいでめげてちゃいけないと思い、足を新宿さんの前まで進める。

「新宿さん、ちょっといいですか?」

僕が話し掛けると、新宿さんは戸惑ったような顔をして止まった。
そしてちらっと都庁さんの方をみる。
都庁さんはその視線に気付いたのか、新宿さんの背中を優しく叩いた。

「私は皆の所に戻っているからな。」

そういってから都庁さんは新宿さんの耳元で何か囁いて隣の車両に移って行った。

「…。」
「…。」
「…で?」

沈黙に耐え切れなくなったのか、新宿さんが話を切り出した。
僕は深く息を吐き、鼓動を落ち着かせて自分の想いを伝えた。

「新宿さんが好きです。」

そういうと、新宿さんは少し驚いたような顔をした。
やっぱり駄目だよね…と諦めて少しうなだれる。

「…も」

新宿さんが何かを言いかけ、僕は新宿さんの方を向く。

「俺も、好きだ…。」
「…え?」

その言葉が信じられなくて聞き返す。
新宿さんは顔を赤くして、足元の方をじっと見ていた。

「新宿さん、もう一度言ってくれませんか?」
「〜っ!だからっ、お前のことが好―」

き、と新宿さんがいう前に口を塞ぐ。
新宿さんは驚いたのか、顔をひこうとしたけど、僕は片手で押さえ逃げられないようにする。
そして、ゆっくりと目を閉じた。

「ん、は…。」

それから数分後にゆっくりと唇を離す。

「…六本木。」

じっとこっちを見る新宿さんを抱きしめて―…。

「新宿さん、愛してます。」


――――――――
後書き
色々な意味で吐血しそうです。
多分このあと皆で話をしたら、「やっとくっついたのか」とか言われて二人とも焦ったらいいな。(笑)

優姫様、こんな小説でもよければ受けとって下さい。


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