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□恋だと気付く
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けど、なんか新宿さん顔少し赤くなってねぇか?

「新宿さん。」
「なんだよ。」

新宿さんは少し拗ねたような顔で振り向く。
その顔をみると何故か無性に抱きしめたくなって、俺は新宿さんを抱き寄せる。

「両…国?」

碁石がザラザラと落ちていく。

「どうしたんだよ。」

こうして抱きしめると案外新宿さんが細い事に気付く。
そして、自分の心臓の音にも―…。
やっと自分の気持ちに気付いた。

俺は―…新宿さんの事が好きなんだ。

「新宿さん。」
「ん?」

一息吸って、言う。

「っ好きだ。」

言えた。と思ったら、新宿さんはふっと笑い出し腕を首に廻した。

「俺も、好きだ。」

耳元で囁いた。
俺はその言葉に信じられなくて。
新宿さんを引き離す。

「マジ?」
「マジだよ。こんな事に嘘をついてどうする。」
「いや、だってよ。新宿さん女の子の方が好きだろ?」
「まぁな。」
「じゃあ…」

おかしい、と言いかけると服を引っ張りキスをしてきた。

「これでも信じられないか?」
そういって新宿さんは顔を背ける。
よく見てみると、耳まで真っ赤になっていて。

俺はその耳にキスをして、新宿さんを振り向かせ、もう一度。

「好きだ。」

そして、唇にキスをして、抱き合って。


これが恋だと気付く瞬間――…。


→後書き&おまけ
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