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□放課後アダージョ《番外編》
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「ややややややなせ!?」
ベッドに潜り込む柳瀬を見て私は目を見開いた。脳内は大パニックだ。なんで!?どういうこと?
「…寝る」
「一緒に!?」
うん、と頷く柳瀬を見て私は頭が痛くなる。出よう、この部屋から。私は用意して貰った客間で寝よう。
そう思ってベッドから降りようとしたのに「亜季、」気がついたら柳瀬に腰をさらわれて、ベッドの中に引き戻されていた。柳瀬の顔が目の前にある。
「…柳瀬、」
「おやすみ」
一言呟いて目を閉じた柳瀬を見て、ため息が出そうになる。こうなったら動かないつもりなんだ。
がっちり掴まれた手が離れそうに無いので、私は抜け出すことを諦めた。柳瀬の胸元に顔を寄せれば、軽く抱き締められる。
「…おやすみ」
小さく呟いて目を閉じる。近くに感じる温もりになんだかとても安心した。