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□放課後アダージョ《番外編》
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私は柳瀬ママたちに見送られて家を出る。柳瀬は当たり前のように私と一緒に出た。それを見た柳瀬家のみんながニヤニヤ笑っていたのは、幻覚だと思いたい。

「一人で大丈夫なのに…」
「俺が一緒に居たいの」

思わずぼやいたら柳瀬が私に爆弾を落としてきた。驚いて固まったら、柳瀬が苦笑する。そのま私の手に指を絡めてから歩き出した。

「亜季の手、冷たい」
「柳瀬の手が暖かいんだよ」

私の答えを聞いて柳瀬は繋いだ手を見る。それから自分の上着のポケットに私の手ごとつっこんだ。「暖かい?」驚いて見上げれば柳瀬の笑った顔。

「暖かい…けど、」
「けど?」
「……歩きにくい」

照れ隠しに言った一言に柳瀬は笑った。柳瀬のことだから、たぶん照れ隠しだってバレてるんだろうけど。せったくだから、私は柳瀬にくっついて歩いた。
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