CLAP Novel

□十人十色
1ページ/6ページ




お題【恋人への不満】



紗智×悠一

『…不満?』
「あたし、あるよ」
『え?』
「あんた何かと理由をつけては家に呼びつけるでしょ? それで特に用は無いみたいだし。あれ、止めてよ」
『……やだ』
「なんでよ?」
『…少しでも紗智と一緒に居たいから』
「………言ってて恥ずかしくない?」
『紗智が言わせたようなもんだろ』
「…そうね」
『俺も不満あった』
「なに?」
『紗智が好きって言ってくれない』
「言ったでしょ?」
『告白のときだけだろ?』
「不満なの?」
『不満』
「………」
『言って? 聞きたいから』
「……考えとく」
『さーちー?』
「…っだって恥ずかしいだもん!」





亜季×柳瀬

「不満…」
『俺はないけど』
「…私は…」
『あるの?』
「不満、というか……その、スキンシップが激しい気が…」
『そうかな?』
「家の外は控えて欲しいかな……恥ずかしい、し…」
『恥ずかしいの?』
「柳瀬は恥ずかしくないの?」
『うん』
「………」
『まぁ、亜季がそう言うなら止める』
「止めてくれるの?」
『うん。その分、家でくっついてれば良いんだし』
「っ、」
『亜季? 顔が赤いよ?』
「……柳瀬のせいだよ…」





美和×滝沢

「あります!」
『は?』
「馨さんは常に何考えてるか分からないし急に不機嫌になるし、かと思えば急に笑い出すし…」
『全部お前が原因だろ』
「なんでですか!」
『あー…あれだ。頭の中がお前でいっぱいなんだよ』
「…………」
『その胡散臭いものを見るような目はなんだ』
「…馨さんに限ってそれはないです。ありえないです」
『本人が言ってるのに?』
「はい」
『…俺も不満、あるぞ』
「え?」
『まず美和が俺の言うことを信じないことだろ? あとあれだ! お前、いつになったら俺の家に荷物運ぶんだよ?』
「……それは、」
『一緒に住むって聞いたら頷いたじゃねぇか。あれは嘘か?』
「それは馨さんが無理矢理言わせたみたいなものじゃないですか!」
『今だってここに住んでるみたいなもんだろ。それにまた勝手に逃げられたら俺が困る』
「……逃げませんよ」
『分かってる。俺が勝手に思ってるだけだ』
「っ、……少しずつ持ってきます」
『ん』











―END―
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ