CLAP Novel

□人気カップル投票SS
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◇カップル人気投票◇


【隼人×茜】


たぶん、罰当たりなんだと思う。
ずっと片想いで、念願叶って恋人同士になれて。だから本当は喜ぶべきことなのかもしれない。

――でも。

「……ねぇ、」
「んー?」
「近くない?」

あたしは隼人の膝の間に座っていた。抱え込まれるようにお腹に腕を回され、引き寄せられる。
背中に隼人の熱を感じて、今さらながら頬が熱くなった。隼人は呑気に笑ってるけど。

「離して」
「イヤだ」
「……遥香ママたちが変に思うでしょ」
「思わないよ」

離すように隼人の手を叩くけど、隼人はますますあたしの腰元に回した腕に力を込める。おい。逆だって。
恐る恐る遥香ママたちを振り返れば、なぜか幸せそうに笑う二人と目が合った。あれ、おかしいな。

「今さらだよ。俺が茜に構うのはいつものことじゃないか」

そうだけども。そうじゃなくて。
なんていうか、照れ臭いのだ。今までとは明らかに空気が違うから。甘い雰囲気というのには慣れなくて。

「あかね」
「なに?」
「好きだよ」
「……何を今さら」

呆れて振り返れば隼人があたしの頬に口付ける。あたしは思わず手をつねった。やりすぎだよ。
散々逃げ回っていたくせに、自分の気持ちに正直になった瞬間から、隼人はいつだって全力だ。あたしの方は心臓がもたなくなりそうなのに。
隼人は相変わらずあたしを抱き締めたまま。あたしは抜け出すのを諦めてメールを返すことにした。

「だれ?」
「高山さん」
「……なんだって?」

高山さんの名前が出た途端、不機嫌になる隼人。分かりやすすぎて笑ってしまった。

「なんで亮二なんかと」
「……内緒」

言ったら隼人がムッとしたのが分かる。教えないけど。再び携帯をいじり始めたあたしが面白くなかったのか「あ、」隼人に背後から携帯を取り上げられた。
そのまま背後のソファーに放られる。思わず非難がましい目で見れば唇を軽く吸われた。

「亮二なんかとメールしないで」
「………」
「お願い」

意外な言葉に固まれば、怒ったと勘違いした隼人に懇願された。隼人がそんなことを言うなんて思わなかったから驚いただけなのに。

――でも。

ヤキモチ焼いてくれたのかな、って思ったらなんだか嬉しかったから。
あたしは隼人の唇に自分のそれを重ねることで返事を返した。













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