Long Novel

□排他的恋愛思考
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俺はたぶん、調子に乗っていた。

放っておいても女は勝手に寄ってきた。俺の顔が人よりも格段に整っていたのも原因の一つかもしれない。今よりも全体的に華奢だったし。
とにかく、俺は女にも困らないし家もでかい旅館なんか経営してたから金に困るということも無かった。
だから正直、最初は興味も無かったんだ。まったくと言って良いほど。

[……滝沢くん?]

遠慮がちに肩を揺すられて唐突に目が覚めた。机に突っ伏して寝ていたせいか、妙に体が痛い。というか気持ち良く寝てたのに起こしたのは誰だ。
一気に不機嫌になった思考はなかなかうまく動き出さない。[あの…]小さく声をかけられて顔を上げた俺は固まった。

[……誰?]
[あ、同じクラスの新堂です]
[ふーん…なに?]

俺の周りには居ないタイプ。染めたことなんかなさそうな髪が風に揺れて、それが妙に印象に残った。

それが雪子との、最初の会話。
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