Short Novel

□例えばこんな世界征服
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「アメリカ負かしたら世界征服?」
「いくつだ、お前」

真剣に悩む目の前の高校二年生になんだか泣きたくなる。っていうかアメリカ負かすって。何で勝つつもりなのよ。
また何かを考え出した間宮を見て、あたしはため息をついた。幼馴染みというには遠くて、友達というには近い関係。そんな甘ったれた関係を続けてもう9年になる。

「凉はどう思う?」
「何が?」
「世界征服方法」

聞いたあたしが馬鹿だった。真剣に悩んでいるからどうしたのかな、とか思ってたのに。
いつの頃からかは忘れたけど。間宮はやけに世界征服にこだわるようになった。真剣に考えているかはまったく謎だけど。
頭は悪くない、はず。テストの成績はあたしなんかよりずっと良いし、素行だって良い。それともバカと天才は紙一重ってやつ?

「あたしはあんたの将来が心配だよ…」
「え、なんで?」

そこで不思議そうに聞いちゃったりするからだよ。
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