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□恋愛ループ《番外編》
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「髪、切りませんか!」

駅まで背の高い男の人にいきなりそう言われた。私は面食らいながらも素早く反応する。

「切りません」

きっぱり言った言葉に、男の人ががっくりうなだれた。
……いやいや、待て。いきなりなんだったんだ。
学校が終わって買い物して帰ろうかな、なんて思っていたらいきなり進路を塞がれて。気がついたら目の前で男の人が頭を下げていた。

「そう、ですか……」

男の人はがっくり項垂れて私の前に立ち尽くしている。……なぜか変な罪悪感が芽生えた。
しかも目の前に立ってるから追い越すこともなんだか気が引ける。どうしたものか。

「なんか、すみません……」

自分の罪悪感を誤魔化すために謝ったら、その人は少し目を伏せながら笑って首を横に振った。
……なんか犬みたいな人だなぁ。しっぽが項垂れてるのが見えるような気がする。

「いいんです。綺麗な髪だったからつい興奮しちゃって……」
「そう、なんですか。 せっかくですけど髪を切るつもりはないので……」

私はなんでこんなことを言ってるんだろう。そう思いながらも理由を話して立ち去ろうとした。
そんな私の手を誰かがまた掴む。誰か、なんて分かりきってるんだけど。

「………まだ、何か?」

振り返れば予想通りの彼の姿。その目は輝いていた。
……あぁ、嫌な予感。
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