Request
□お酒と涙と恋愛
1ページ/53ページ
昨日、半年付き合った彼氏に別れを告げられた。一時間くらい言い訳染みた話を聞かされて、最終的には別れたことになったらしい。
今日は会社でもつまらないミスを連発しちゃうし、部長に叱られるし。チーフは許してくれたけど。
とにかく、私の身の回りに起こる全てが嫌になった。
「っあたしの何に文句があるっていうの!?」
ジョッキに残っていたビールを一気に煽ると私はテーブルに叩きつけた。目の前で同じようにビールを飲んでいた悟が呆れたように、私からジョッキを取り上げる。
「おかわり!」
「もう止めとけよ。飲みすぎだぞ」
悟からジョッキを取り上げようとするけど、それを上手くかわされる。「飲む。飲みたい」「駄目。すいません、お水ください」私は睨み付けたけど黙殺された。
店員から受け取った水を、悟は問答無用で握らせる。冷たい水を飲んだら少しだけ頭がはっきりした。そうしたらアルコールで忘れていた虚しさが込み上げてきて、机に突っ伏した。