Long Novel
□排他的恋愛思考
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雪子はそれまで俺の周りに居ない奴だった。いろんな意味で「濃い」奴らとつるんでた俺には、雪子が真っ白な存在に思えた。白い肌も控え目に笑うその笑顔も。全てが俺の心に入り込んで忘れられなくなった。
[…雪子、]
どうしようもない俺だったけど雪子の側は暖かくて、居心地が良かった。ずっと側に居たいと願ってしまうほどに。
[どうしたの?]
[…俺が雪子を好きって言ったらどうする?]
言ってから後悔した。なんだ、このアホらしい問いかけは。雪子にどうでも良いと言われたら俺はどうすればいい?
そんな考えが一瞬、頭の中を過ったけどすぐにどうでもよくなった。雪子が顔を真っ赤にさせて俺を見ていたから。
[顔…真っ赤]
[…み、ないで…]
頬を押さえる雪子が可愛くて俺は思わず雪子を抱き締めた。腕の中で雪子が体を固くするのが分かる。
その全てが可愛くて、俺はギュッと抱き締めた。