Long Novel

□魔法使いのダンス
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感じ悪い金髪さんのことは放置することに決め、着替えようと立ち上がる。部屋を出ようとしたところでお父さんに呼び止められた。

「話があるからここに居なさい」

明らかに不満そうな顔をしてみたけどお父さんは譲らなかった。仕方なく金髪さんの向かいの椅子に座る。お母さんもキッチンから出てきて私の隣に座った。

「まずは彼の紹介をしよう。彼はベルナルド・カルマンくん。見て分かるようにフランス人だ」

いや、分からないから。お父さんの言葉に心の中で突っ込んで目の前の金髪さんを観察する。ふーん。フランス人なんだ。

「訳あってうちで預かることになった。みんな、仲良くするように」
「は?」

突然の宣言に私はお父さんをまじまじと見つめた。今、何て言った? 一緒に住む? この人と!?

「住むって?」
「そのままの意味だ。絵美の隣の部屋が空いていただろう?」
「空いてるけど……」

そうじゃなくて。だって知らない人だし。
目の前の金髪さんは相変わらず無愛想な顔。こいつ、仲良くやるつもりないな。自分のことが話題なのに我関せずって顔してるし。
なんか嫌な感じ。思わず睨めば相手も睨み返してきた。
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