Short Novel

□例えばこんな世界征服
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某青春ドラマみたいな河原を間宮と歩いていたら、前からジャージ姿の二人が走ってくるのが見えた。その内の一人を見て「あ、」あたしは立ち止まる。

「誰?」
「菊池先輩」

教えても間宮はよく分からないという顔をした。まぁそうだろうね。関わり無さそうだし。
向こうもあたしに気がついたのか、にっこり笑って立ち止まった。キラリと光る汗がなんだか眩しい。

「よぉ。今帰りか?」
「部活、お疲れ様です」

頷いて声をかければまた眩しい笑顔を向けられた。あぁ、青春してるって顔ですね。隣に居る間宮はまたなんか考えてるみたいだし。
例えば間宮がこんな風に走っていたら。……駄目だ。へばってるイメージしか思い浮かばない。

「じゃあな、気をつけて帰れよ」

先輩はあたしの頭を優しく撫でて走り去っていく。夕陽がまた青春っぽいなぁ、なんて思ったり。
なぜか間宮は隣であたしの顔と菊池先輩の背中を交互に見たりしてるけど。
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