短編

□遠くの夢
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(千鶴と平助とお千)









行かないで。




その言葉だけは何だか言ってはいけない気がして、唾を飲み込んだ。


だめだ、我儘を言っちゃいけない。

彼らは武士なのだ。そして、彼らは戦うことを求めている。


だから、私が口に出しちゃいけないんだ。



私は黙って、彼らのあとに続こう。


私は黙って、彼らの後ろ姿を見ていよう。




黙って、彼らの支えとなれるように、



彼らと行けるなら私は……



























嘘。ほんとは、ほんとは、



(千鶴が授業中寝るとかめずらしいよなー)

(ねぇ。あ、なんか寝苦しそう。嫌な夢でも見てんのかしら)
 

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