短編
□天霧君のうわさB
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(天霧と斎藤)
「熟女か…。これは引いてもよいものなのか?」
まさか斎藤にまで話が通っているとは思いませんでした。
「…聞いてください。それは誤解です」
「違うのか?」
「違います。私はそういうので女性を判断しません」
「では校門前の文房具屋の山岡さん、どう思うんだ?」
「え?あぁ…お綺麗な方だと思います」
「…」
「…」
「…そうか」
「待って下さい。たぶん貴方は大きな勘違いをしておいでです」
去っていきそうなその肩をがっと捕まえて言えば、斎藤は相変わらず無表情で。
こう言った。
俺はそう不知火に聞いた
(だからそれが違うのです。誤解なのです)
(誤解か……別に軽蔑などしない)
(いやだから…)