短編
□零度
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(千鶴と風間)
夕暮れ時の廊下に2人きり。
「俺のことを忘れたか」
「覚えています」
「なら何故俺を選ばない」
「時間は人の気持ちを変えるものです」
「…まだ怒っているのか」
「別に」
「お前は沢尻エ●カか」
つんけんした私の態度にも風間先輩はめげない。
「あれは誤解だ」
「何の事だか私にはさっぱりです」
「千鶴」
「千景さん」
一歩も譲らないその態度に、風間の眉間にしわが寄る。
そして小さく、どうしてこうも我が妻は強情なのだ…と呟けば、
「誰が妻ですか。風間先輩」
千鶴の軽いデコピンが炸裂した。
過去の延長戦
2人の関係はまだ謎ばかり