短編

□見直しそうになった私が馬鹿でした
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(沖田と千鶴)






購買にまで来て気付いた。

自分の財布の中身がすっからかんだということに。


すっからかん、というか十円玉や一円玉はある。

ある、が合わせても50円に達するかどうかぐらい。

仕方ない、今日はお昼は諦めよう。



そう決意した千鶴の前に現れたのは、







「千鶴ちゃん、何食べたい?」

「いえ、その、私は…」

「あぁいいよ。お代はあとできっちり頂くから」

「え、その…」

「じゃぁミルクパンにしよっか。あはは」

「いや、ほんとに私は…」

「おばちゃーん。ミルクパンと焼きそばパンとコッペパンとー…」

「…」






話を聞いていない、というか聞いてくれない沖田に千鶴は申し訳なさそうな顔をする。


そして同時に沖田先輩のことを少しだけ見直す。

いつも意地悪ばかりする先輩だけど、困ったときには手を差しのべてくれるんだ。

結構良い人なのかもしれない。



そう内心思いかけてたころ。






「先輩、ありがとうございました。お金は明日払いますね」

「お金?お金なんていらないよ」

「え、でも奢ってもらうわけには…」

「ちゃんとお代は頂くよ」




え?



お代頂くって、お金じゃないの?





目を丸くして驚く千鶴に沖田はイタズラっぽく微笑み、言った。










「ちゅーぐらいでいいよ」





















あぁ、やっぱりこの人は




(ちょ、嫌です嫌です嫌ですいやぁぁ!誰か助けてぇ!)

(総司貴様何をしている!!)←斎藤

(あ、…出たよ千鶴ちゃんのストーカー)
 

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