短編
□伝言リレー
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(新八、おーる)
俺、永倉新八は。
土方さんに誘われた今日の飲み会に行けないことをまず近藤さんに言った。
伝言頼むぜ!そう言ったら近藤さんは
まかせろ!と豪快に笑った。
だから安心しきってたのだが、うん、おかしい。
一体どこから話がこじれちまったんだ?
『新八ィ。てめ、合コンに行くからこれねぇだとぉ?ふざけてんのかアア゛?!』
「ちょちょちょ、待てよ!誰がそんなこと言った?!」
『話は全部千鶴に聞いたぞ』
え?!千鶴ちゃん?!何でそこに千鶴ちゃんが出てくんの?!
驚いた俺だが電話の向こうの土方さんはそうとうキレてるらしく、途中で電話をぶちられた。
…一体どうなってやがんだ?
後日近藤さんに聞いたらどうやら俺の伝言はまるでリレーのごとく皆で伝えあって、最終的に千鶴ちゃんにいきわたったらしい。
それまでの経緯を詳しく聞くと、
まず近藤さんが急用で山南さんに伝えたらしい。
次に実験があった山南さんは左之に伝えたらしい。
めんどくさかった左之は総司に頼んだらしい。
更にめんどくさかった総司は千鶴ちゃんに頼んだらしい。
「あ、たぶん僕と左之さんとこじゃない?変になったの」
「なぬっ?!どういうことだ左之!」
「あ、もしかして俺が、新八の飲みに行けねぇ理由は女かも、って言ったやつか?」
「じゃない?僕もその話をまんま千鶴ちゃんにしたからね。ちょっと話を大きくして」
「…総司てめぇかァァァ!!」
どうやら話が違ってきたのは総司のせいらしい。てめ、このやろ、後で覚えておけよ。
つか土方さんに何て話しかければいいと思う?!
(昨日電話でめちゃ怒ってたんだよー!ああ!目つきだけで殺されそう俺…)
(あははー。頑張れー永倉せんせー)
(…総司、後でまじ覚えとけよ)