短編
□調理実習
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(千鶴と平助とお千と沖田)
クッキー?なんだ簡単じゃん。
と言ったのはどこのどいつだったか。
「ちょっと平助!あんたはそれ混ぜて!」
「お、おう!!」
「平助くん違うよ。もっとさっくり混ぜて…」
「さっくり?!」
さっくり?!なにそれ!クッキー混ぜるのにそんな効果音使うの?!
「たいへんだねぇクッキー作り」
「なんで総司がここにいんだよ!」
「だって今お昼休みだし。良い匂いがしたから何かなーって思って」
「…」
にやにや笑いながら高みの見物をする総司。
くっそあいつめ…。
クッキー出来上がったってあげねぇかんな!!
そう決意してひたすらさっくりさっくり混ぜるように心がけたとき。
「ちょっと!あんたも手伝いなさい!」
「え?僕?僕は関係ない…」
「いいから!ほらこれ敷いて!!」
強引に総司の手を引っ張って手伝わせるお千。
この時ばかりは彼女の強引さに感謝した。
力を合わせて!
(平助くんお菓子作りをなめないで!
もっとさっくり混ぜるの!)
(…だからさっくりって何?!)