短編

□学校の7不思議2
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(おーる)



七不思議の二つ目

『3階の一番奥の教室の壁の中に死体がある』




土方先生から見事に逃げ切った3人は、二つ目の七不思議の現場に来ていた。



「…で、声がするんだって。ここから出してぇ〜ここから出たいぃ〜って」

お千が窓側の壁を指す。

そこにはなんだかぼんやりとした影があるようなないような。

更にその影が若干人影に似ているような似ていないような。




「……なんか、人型っぽくない?」

「そうか?気のせいじゃね?」

「……」



とりあえず、パシャリと写真を撮るお千ちゃん。

でもその音以外は無音で何だか不気味だ。



「ねーはやくここから出よー…。怖いよ、なんか」



薄暗い教室の中は夏のくせして何故かひんやりとしていて、何だか嫌な空気だ。

はやくここから出たいな、そればかりが頭によぎる中で、






「……え?」



「っどうしたのお千ちゃん」

「何か変なの写ってたか?」



突然写真を撮る手を止め、何かに気付いたように声をもらしたお千に、千鶴と平助は体をびくりと揺らし、


「ゆゆゆ、幽霊さん…どんなんだった?」

と涙目になっている千鶴。




「違うの、そうじゃなくて…」



ほっ。

なーんだ。

じゃぁどうしたの?




あからさまに安心したような顔をする千鶴に、お千は不思議そうな顔をして言った。





「なんか、声しなかった?」





「…こえ、て…」


え?お千ちゃん?何言ってんの?

恐怖に口元を引き攣らせる。

ちょっと平助君。手、痛い。手、強く握りすぎだって。いたたた。







「…」

「…」

「…まぁ気のせいだよねー。じゃぁ写真も撮ったし、次も回んなきゃいけないから行こっかぁ」

「そ、そうだねー」

「そ、そうだなー」



































何にも聞こえませーん!!


(……ん?)

(どうしたのお千ちゃん)

(いやね、さっきあそこで千鶴ちゃんと平助撮ったんだけど…なんか白いモヤが…)

((え゛……))
 

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