リクエストの部屋

□らぶらぶ大作戦?
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この日は、いつもよりとても寒い日だった。
だから、葵はある計画を実行に移そうとしていた。

「今日なら…出来る!」

有川家の前で一人でぶつぶつ言っていた少女はしかし誰にも見られることはなかった。
それもそのはず、なぜなら今は早朝なのである。
なぜ、こんなに寒い中朝早くから外にいるのか。
それは、これから実行する"ある計画"のためである。



遡ること数日。
鎌倉に突如として現れた迷宮の探索も今日はお休みにして、息抜きということで女の子4人で買い物に来ていた。

「ふっふーん、女の子しかいない今日は絶好の恋話日和だよね!ってわけで二人とも、それぞれどんな感じなの?」
「の、望美、どんなって言われてもわかんないよっ…」
「そんなキラキラした目で言われても私は何もありませーん」
「そんなこと言ってー、二人とも最近いい感じなの知ってるんだから!」
「ふふ、そうね、私も興味あるわ。二人とも、聞かせてちょうだい?」
「んじゃ私も葵の話聞きたーい」
「朔と桜まで…!そんな、私将臣くんとはまだそういう関係じゃ…!」
「あら、将臣殿だとは私たち言ってないわ?」
「まだ、ねぇ…?ふーん」

ニヤニヤとした笑みで見ている二人に、葵は真っ赤になって口をパクパクしている。
そしてなにやら望美が一人で頷いて、

「うん、わかった!今日は葵ちゃんと将臣くんのために、恋人らしい行動ってどういう物なのか、徹底的に調べよう!」

我等が源氏の神子様の、提案という名の命令にはもちろん逆らえるはずもなく。
この日は、望美の心行くまで恋人観察となったのであった。


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