‡海の宝物‡
□Find me
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2人がはぐれてからは数時間
『はぁ・・・もうだめ・・・』
何時間もはきなれていない靴で歩いていたせいか、淳子の足はついに限界といわんばかりに、力を失った
すでに日は暮れかけており、辺りが赤い光に包まれつつあった
(・・・グスン・・・ドフラミンゴさんのバカー)
ここにはいない、あのピンク色の影の男に、無言の抗議を唱える
いなくなってから感じる、彼のぬくもりの暖かさ
いつもはベタベタして離れない彼の存在が、いつのまにか当たり前になっていたことに気付く
そんな時、体にふいに訪れたぬくもり
「フフフ・・・こんなとこにいたのか」
「・・ドフラミンゴさん・・・」
力強く体に回される腕と、彼のトレードマークであうピンクのもふもふ
意地悪な笑みを浮かべているくせに、その視線は優しい
「ドフラミンゴさん・・」
再び淳子が彼の名を呼ぶ
すると、まるで全てを見透かしているかのように、実に自信に満ちた笑みを浮かべ、淳子の額にキスを落とした
「フフフ・・・心配しなくとも、すぐに見つけてやるぜ・・・」
傲慢な言葉に、傲慢な笑み
だが、その腕に包まれている限り、幸せだと淳子は心のそこから思った・・