短 編

□■胸に刻んだ感情
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俺は二年前に大阪から東京に引っ越してきた。

そして今は大学生。










「陽太先輩−♪おはようございまぁす!」
「…おはよう」
ニコニコと満面の笑顔で挨拶してきた後輩の宮部諒に若干引いている俺、不知火陽太。
「先輩、今日は一緒に帰れますか?」
「えと…今日は…」
「え…今日も駄目なんですか?」
子犬のような目で見つめてくる後輩に陽太は負けてしまった。
「いや、今日は大丈夫や…」
「本当っすか!?」
喜んでいる諒に聞く。
「なんでお前は俺とそないに帰りたいんや」
「そりゃあ、俺が先輩と帰りたいからですよ」
「そないなこと、わかっとるっちゅ−ねん!
なんで俺と帰りたいか理由を言えってことや!」
「ん−…理由…。
特に理由なんかないです」
話が噛み合わへんし、イライラする。
誰かコイツをどないかしてくれ〜。
陽太は心の中で叫んでいた。
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