短 編

□■君がいるだけで
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それから愁は恵夢の部屋に連れられ、ベッドの上に座った。
「なぁ、恵夢…。
俺ってやっぱりうるさい?」
「…うるさい」
はっきり言いきる恵夢に少しショックを受けた。
「だ、だよな−…。
でも俺は恵夢が楽しそうに聞いてくれるからつい、いっぱい喋っちゃって…」
それを聞き、恵夢は頬を赤く染めた。
「………//」
「俺、今日、恵夢が他の奴と喋ってるのを見て、すごく嫌だった…」
恵夢は愁の話を真剣に聞いていた。
愁は顔を上げ、恵夢の目を見た。
「………俺さ…恵夢のこと…好き…」
その言葉に恵夢は目を見開いた。
「…お、男にこんな事言われても気持ち悪いだけかもしらないけど…俺は恵夢が好…………」
その時、恵夢は言葉を遮り、愁の唇を塞いだ。
「ん………」
舌が激しく絡み付き、クチュクチュと水音がする。
しばらくの熱い口付けから解放された愁は突然の事に戸惑い、口を抑えた。
「…ぷはっ…な、なんで///」
「…したくなったから/」
「したくなったって…ええっ///」
「嫌だったか?」
「嫌じゃないけど…っ/」
すると、恵夢は薄笑いしながら愁の顔を覗き込んだ。
「じゃあ、恥ずかしいんだ?」
「言うなよっ//」
「愁、可愛い…」
「なっ…//
…………なぁ、恵夢…」
「…?」
「…………恵夢はさ、俺の事好き?」
それを聞き、恵夢は驚いたがふわっと笑いながら頷いた。
「…ん」
恵夢の笑顔を見た愁は安心したのか涙が出てきた。
「ど、どうした…?愁…」
慌てる恵夢に愁は抱きついた。
「よかったぁ!
やっと…恵夢、笑ったぁ…」
「…………/」











































「あっ…恵夢…待っ…/」
手を伸ばしてくる愁の手をギュッと握った。
「駄目、待てない…」
「だって、俺初めてなんだよぉ/」
ベッドの上で暴れる愁を押さえつけ、服を脱がした。
「…や、やだやだっ//恥ずかしい…っ//」
「…今更?
小さい頃から一緒に風呂入ってただろ…。
お前の裸なんて何回も見てるんだから…」
「馬鹿っ…/そういうことじゃな…ぁん//」
思わず出た自分の声に羞恥を駆り出される。
恵夢はフッと笑う。
「…何?今のやらしい声…」
「だって…恵夢が変なところ触るから…//」
「変なところってここ?」
恵夢は愁の突起を弄る。
「…やっ///恵夢の意地悪…っ//」
「…大丈夫。優しくするから」
「……うぅ〜…//もう、任すっ//」
そう言って、愁は恵夢に身を委ねた。
「愁…ずっと俺、愁とこうしたかった…ずっと好きだった…」
恵夢は愁の中で動きながら呟いた。
「あぁっ…恵夢…///…俺も…//」










普段、無口なお前から初めて本音を聞けたような気がした。






恵夢、お前がいるだけで俺は幸せになれる。
もしお前が望むなら俺は喋り続ける。

























Fin.
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